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外国人技能実習生の受け入れを検討している企業にとって、住居の確保と管理は非常に重要な課題です。
技能実習生の住居には法律で定められた基準があり、違反すると実習計画の認定取消しや罰則につながる恐れがあります。
この記事では、技能実習生の住居に関する法的義務から住居タイプの選び方、家賃の算出方法、さらには入居後のトラブル防止策まで、受け入れ企業が知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
技能実習生の住居に関する法的義務とは
技能実習生に提供する住居は、法律に基づいた基準が定められています。
ここでは、出入国在留管理庁と厚生労働省が共同で発行する「技能実習制度 運用要領」で明記された、技能実習生住居の要件の概要をご紹介します。
寝室面積は「1人当たり4.5㎡以上」が絶対条件
技能実習生の住居において最も重要な基準が、寝室の広さです。実習生1人あたり4.5㎡(約3畳)以上の寝室面積を確保することが義務付けられています。
この4.5㎡とは「実際に睡眠に使用できるスペース」であり、床の間や押入れなどの収納スペースは算入できません。また、廊下・キッチン・他の実習生の動線となるエリアも寝室面積には含まれないため、注意が必要です。
「育成就労制度」移行を見据えた対応が必要
2024年6月に成立した改正入管法により、技能実習制度は段階的に「育成就労制度」へ移行します。現行の育成就労制度では、住居の基準は技能実習制度のものを踏襲するため、4.5㎡でも法律上問題ありません。
しかし、育成就労制度は特定技能1号への移行を前提としており、特定技能1号になった場合は住居基準が7.5㎡へ引き上げられます。そのため受け入れ企業は、今後の制度変更を見据えて住居水準の引き上げも視野に入れておく必要があります。
育成就労制度については、以下の記事も参考にしてください。
【2024年6月成立】技能実習制度が育成就労制度に変更!概要について解説
複数人での同居とプライバシーの保護
複数の技能実習生が同じ物件に住む場合、1部屋への入居は原則2名以下が望ましいとされています。
また、就寝時間が異なる実習生(日勤と夜勤のシフトが混在する場合など)が同室になると、睡眠の妨げや生活サイクルの乱れにつながるため、寝室を分けることが必要です。
プライバシーへの配慮として、各実習生が個人の私有物を保管できる収納設備の設置も義務付けられています。
安全・衛生面への配慮
住居の立地や設備について、安全・衛生基準を満たす必要があります。
- 爆発や火災リスクの高い、工場や危険物取扱所に隣接する場所への住居設置は避ける
- 消火設備(消火器など)を設置する
- 食堂やキッチンを設ける場合は衛生面を配慮する
なお、運用要領については本記事で概要を確認したあと、必ず資料にて詳細をご確認ください。
参照:技能実習制度 運用要領|出入国在留管理庁・厚生労働省 P.108「(2) 宿泊施設の確保に関するもの」

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技能実習生の住居の種類と特徴
技能実習生の住居には、大きく分けて2タイプあります。
- 賃貸アパート(法人契約)
- 企業寮・社宅
各タイプの特徴を比較した表を、以下にまとめました。
| 住居タイプ | メリット | デメリット | 向いているケース |
| 賃貸アパート(法人契約) | 柔軟に物件を検討できる | 仲介手数料・保証料が必要 | 技能実習生の住居として最もよくあるケース |
| 企業寮・社宅 | 日本人社員が住んでいる場合、交流が生まれやすい | 初期費用が大きい | 建設業界など大人数での受け入れで一般的 |
賃貸アパート(法人契約)
賃貸アパートを法人名義で契約する方法は、技能実習生の住居として最も広く採用されています。
受け入れ人数に応じて、柔軟に物件を選択できる点がメリットです。
一方で、仲介手数料や保証会社への保証料が必要なほか、外国人を入居させることを理由に賃貸借契約を断られるケースもあるため、外国人受け入れに理解のある物件・管理会社を探すことが重要です。
企業寮・社宅
自社が保有・運営する企業寮や社宅を技能実習生に提供するケースは、建設業や製造業など大人数での受け入れが一般的な業界でよく見られます。
日本人社員と同じ寮に住む場合、日常的な交流が生まれやすく、生活ルールの共有や語学習得においてもプラスの効果が期待できます。
ただし、新たに寮を建設・取得する場合は初期費用が大きくなるため、長期的な採用計画を踏まえた投資判断が必要です。
住居費用と家賃徴収のルール・計算方法
続いて、技能実習生の住居費用に関して解説します。
住居費用徴収のルール
受け入れ企業は技能実習生から家賃を徴収できますが、いくつかのルールを守る必要があります。
- 営利目的での住居運用は認められておらず、徴収額の算出根拠を明確に示す必要がある
- 家賃のほかに、光熱費・Wi-Fi使用料・共益費などを実費で徴収することも可能
- 給与から天引きする場合は、労使協定の締結と、書面による本人からの同意取得が必要
賃貸物件と自社所有物件で家賃の算出方法が異なる
徴収できる家賃については、賃貸物件と自社所有物件で異なる決まりがあります。
| 住居タイプ | 家賃の算出方法 | 適正額 | 注意点 |
| 賃貸アパート(法人契約) | 賃料(管理費・共益費などを含む) ÷ 入居人数 | 月2万円以下が上限(ただし地域の家賃相場に応じる) | 敷金・礼金・仲介手数料は徴収不可 |
| 企業寮・社宅 | 宿舎の総工費 ÷ 耐用年数 ÷ 12ヵ月 ÷ 入居人数 | 合理的に説明できる適正額 | 土地代・造成費用は費用に含まれない |
参照:技能実習生の報酬・宿泊施設・徴収費用についての説明書|外国人技能実習機構
生活環境の準備:必須設備と備品リスト
住居を確保したら、実習生が快適に生活を始められるよう必要な設備・備品を事前に用意します。基本的に、日本人が一人暮らしを始めるときに必要なものと同じイメージです。
以下のリストを参考に、必要な設備と備品を揃えましょう。
| カテゴリ | 品目 | 備考・補足 |
| 生活家電・家具・環境 | エアコン(冷暖房) | 実習生は初日から生活できる環境が必要です |
| 冷蔵庫 / 洗濯機 / 炊飯器 / 電子ジャー | 入居人数を考慮したサイズ | |
| 電子レンジ / ガスコンロ / 掃除機 | ||
| 布団一式 / テーブル / 食器棚 / カーテン | ||
| ゴミ分別用のごみ箱 | 地域の分別ルールに合わせる | |
| Wi-Fi環境の整備 | 家族との連絡、指導員とのやり取りに不可欠 | |
| 炊事道具 | フライパン / なべ | 自炊のための基本的な調理器具が必要 |
| 包丁 / まな板 / ボウル / ざる / 電気ケトル | ||
| おたま / フライ返し / さいばし | ||
| 食器類 | お皿 / 茶碗 | 100円ショップの活用も可能 |
| はし / スプーン / フォーク / コップ / マグカップ | ||
| 掃除道具 | トイレブラシ / トイレ洗剤 | 衛生環境を保つために必須 |
| 風呂用ブラシ / 風呂洗剤 / 食器用洗剤 / スポンジ | ||
| 水切りカゴ / 台所ふきん / ぞうきん / バケツ | ||
| 洗濯道具 | 洗濯かご / 洗濯ネット | |
| ハンガー / 洗濯ピンチ(角ハンガーなど) / 物干しざお / 物干し台 / 布団用ピンチ | ||
| 推奨・便利備品 | 自転車 | 職場へのアクセスや買い出し用 |
| テレビ | 日本語の勉強(リスニングなど)に役立ちます | |
| ドライヤー / バスタオル・タオル / スリッパ | 日常ケア | |
| 収納BOX | 衣類用、個人スペース用 | |
| トイレットペーパー / ティッシュ | ||
| コンロ用のアルミ板 | 退去時の原状回復(油汚れ防止)に便利 | |
| ホットプレート | 複数人での食事に便利 | |
| カレンダー / 2段ベッド | 部屋割りや間取りに応じて検討 |
特に重要なのが、Wi-Fi環境の整備です。技能実習生にとって、家族との国際電話やビデオ通話は精神的な支えとなる重要なコミュニケーション手段です。
固定のWi-Fiルーターを設置し、全室で安定したインターネット接続ができる環境を整えることが推奨されます。

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入居トラブルを未然に防ぐオリエンテーション
技能実習生が入居したあと、近隣からのクレームや退去時の高額修繕費請求など、トラブルが発生するケースもあります。
こうしたリスクを最小限にするために、入居前・入居直後のオリエンテーションで生活ルールを丁寧に説明することが不可欠です。
また、母国語での説明資料を用意するとさらに効果的です。
近隣トラブル予防のための指導
特に、近隣住民との生活音・ゴミ出しに関するトラブルに対しては、十分な対策が必要です。
実習生の出身国では、ゴミの分別や収集日のルールが日本とは大きく異なることが多いため、事前に具体的なルールを伝えましょう。
- ゴミ出しルールを母国語表記のポスターや一覧表で可視化する
- 「21時以降は洗濯機・掃除機の使用禁止」「深夜の電話・ビデオ通話はイヤホン必須」など、具体的な騒音対策のルールを文書で共有する
- 廊下や共用部での飲食・喫煙禁止などのマンションルールを説明する
火災・水漏れリスクに対する指導
生活習慣の違いにより、火災や水回りのトラブルが発生することもあります。退去時に大きな修繕費用が発生しないよう、日常的な取り扱いルールを徹底的に伝えておきましょう。
- トイレには異物(生理用品・ウェットティッシュなど)を流さず、トイレットペーパーのみ使用するよう説明する
- コンロ使用中の離席を禁止し、火の消し忘れ防止を徹底する
- 冬場は結露対策として定期的な換気を促し、カビ・腐食による壁の損傷を防ぐ
- 水漏れを発見した場合の連絡先(管理会社・受け入れ担当者)を掲示する
まとめ
技能実習生の住居管理は、法的義務の遵守から日々の生活サポートまで、受け入れ企業が担うべき責任の範囲が広い領域です。
特に、住居の確保や費用徴収については、ルールが厳格に定められています。
本記事で概要を確認したあとは、該当する公的機関のホームページなどで、必ず詳細を確認してください。
アイデムグローバルでは、特定技能人材4,600名以上(2026年4月30日現在)の内定実績を活かし、外国人材の採用から受け入れ、住居・生活支援、在留資格に関するご相談まで一貫してサポートしています。技能実習生や特定技能外国人の受け入れについてお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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