日本で暮らす外国人や外国人労働者を雇用する企業にとって、在留カードの更新・変更手続きに欠かせないのが顔写真です。しかし、パスポート写真の使い回しやスマートフォンで撮影した自撮り写真は、規格を満たさない場合があります。

在留カードの顔写真には、サイズや顔の位置、背景、撮影時期など細かな規定があります。気づかないうちに基準を満たしていない写真を提出してしまうケースも少なくありません。

本記事では、出入国在留管理庁が定める写真規格や不受理になりやすいNG例、撮影時のポイントをわかりやすく解説します。在留カードの申請を予定している方や外国籍スタッフの手続きを担当する方はぜひ参考にしてください。

在留カード写真の重要性と申請への影響

そもそも、なぜ在留カード用の写真はこれほどまでに厳しくチェックされるのでしょうか。その重要性と不備があった場合の影響を解説します。

本人確認と不正防止が写真審査の最優先事項

在留カードは、中長期在留者が日本に適法に滞在していることを証明する、国内で最も強力な公的身分証明書です。

入管が写真審査を厳格に行う最優先の目的は、不法入国の防止、偽造・なりすましの防止、そして国境警備における高度なセキュリティの維持です。

現在、入管の審査現場や日本の出入国ゲートでは、最新の顔認証技術による高精度な本人確認システムが導入されています。このシステムが人物を瞬時に、かつ正確に識別するためには、提出された顔写真がありのままの本人を写していることが大前提となります。

そのため、写真の鮮明さ、背景が無地(影がないこと)、正面を向いていることなどの条件は、単なる見た目の綺麗さではなく、システムによる自動識別を正確に機能させるための必須要件です。

写真に不備があると申請はどうなる?

写真が規格を満たしていない場合、申請はその場で受理されず、写真の再提出が必要になります。申請期限が迫っている場合や来日したばかりで手続きに不慣れな外国籍スタッフが申請者の場合、再提出による手続きの遅延は業務上のリスクになり得ます。

写真の不備が多い理由の一つは、一見すると問題なく見えてしまうことです。顔が正面を向いていても、わずかに体が傾いていたり、背景に薄く影が写っていたりするだけで不適切と判断されます。入管の審査官は細部まで確認するため、「なんとなく大丈夫そう」という感覚での準備は禁物です。

パスポートや運転免許証と何が違う?

パスポート等の窓口よりも、在留カードの写真審査は厳格です。

提出された写真はデータ化され、顔認証システムによる照合が行われるため、髪の毛による目元の隠れ、背景のわずかな影、自撮りによる歪みなどがあると、不備と判断されやすくなります。他の証明写真よりも機械的に正確であることが厳しく求められるのが特徴です。

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在留カードの手続き別|写真が必要なケース・不要なケース

すべての手続きで写真が必要なわけではありません。

写真が必要な主なケース

  • 在留資格認定証明書交付申請: 新しく外国人を呼び寄せる手続き
  • 在留期間更新許可申請: 在留期間を延長する手続き
  • 在留資格変更許可申請: 在留資格の種類を切り替える手続き
  • 在留カードの有効期間の更新申請: 永住者や特定活動などのカード更新手続き
  • 在留カードの再交付申請: 紛失・盗難・破損による再発行手続き
  • 在留資格取得許可申請: 日本国内で出生した外国籍の子どもなどの手続き
  • 永住許可申請:永住者の在留資格を申請する手続き

2026年6月14日の法改正に伴い、これまで顔写真の掲載が免除されていた1歳以上16歳未満の子どもについても、原則として在留カードへの顔写真表示が義務化されました。1歳以上の子どもの申請時にも、規格に合致した写真の用意が必須となっています。

写真が不要なケース

  • 住居地の届出
  • 所属機関の変更届出
  • 一時的な再入国許可申請
  • 就労資格証明書交付申請

在留カードの裏面の書き換えのみで完結する手続きやカードの新規発行を伴わない届出では、写真は不要です。

在留カード写真のルール

出入国在留管理庁が定める写真規格のポイントを整理します。

3つの基本条件

提出する写真は、以下の3項目を大前提としてクリアしている必要があります。

  1. 寸法サイズ:縦4cm × 横3cm(縁無し)
  2. 背景:無地で均一な背景
  3. 顔の比率:頭頂部(髪を含む)からあご先までが25mm±3mmであること、写真最上部から頭頂部までの余白が5mm±3mmであること。

参考:提出写真の規格 | 出入国在留管理庁

チェック事項

提出前に、以下のポイントもすべてクリアしているか必ず確認してください。

  • 無帽で正面を向いたもの:申請人本人のみが無帽で正面を向いており、顔の中心線が写真の左右中央に位置していること。
  • 背景(影を含む)がないもの:被写体の後方や横に影がなく、壁の凹凸や汚れが写っていないこと。
  • 鮮明であること:ピントが合っており、手ブレやノイズ、過度なデジタル処理による粗さがないこと。
  • 裏面に氏名が記載されたもの:貼り付け時のはがれ落ち対策やトラブル防止のため、写真の裏面に申請人の氏名を油性ペン等で必ず記入すること。

写真の有効期限

写真の撮影期間は申請日前6ヵ月以内です。過去の申請で余った写真やパスポートと同じ古い写真を使い回すと、入管のデータベース上の過去写真と同一であることが検知され、再提出を求められます。

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【実践】審査不備を防ぐ!撮影のコツと注意点

撮影時には以下のポイントに留意し、不備を未然に防ぎましょう。

スマホ撮影は難易度が高いことを理解し、対策を徹底

スマートフォンのカメラ性能は向上していますが、入管の規格を満たすのは簡単ではありません。

  • 自撮りはNG:近距離からの自撮りでは、顔が歪んで写ることが多く、また正面を正確に向くことが難しいため不受理になりやすいです。
  • 光源の確保:自然光が均一に当たる環境が理想ですが、逆光や片側からの強い光は顔に影を作ります。窓を正面に向けるのではなく、窓を側面に置いて間接光を使うのがコツです。
  • 背景の整備: 白い壁や白い布を背景にする場合も、壁と自分の距離が近すぎると影が映ります。壁から50cm以上離れて撮影することを意識してください。
  • 加工は一切禁止: 美顔フィルター、肌補正、明るさの過度な調整はすべてNGです。現在の入管審査では加工写真かどうかが識別されやすく、気づかれた場合は即不受理となります。※暗い写真を適正な明るさへ補正するなどの、本人の容姿に影響しない全体調整は除きます)。

どうしてもスマホで撮る場合は、他人にアウトカメラで撮影してもらうか、三脚で固定してセルフタイマーを使い、レンズの穴をしっかり見て撮影します。

不受理を避ける!背景・服装・表情・髪型の最終確認

不受理を避けるための最終チェックリストです。

項目正しい例不受理となる例
背景無地で均一な白や薄いグレー(影がない)凹凸のある壁紙、背後に影がある、グラデーション
服装背景色とコントラストがはっきりした色の服背景が白い壁なのに白いシャツを着用(輪郭が同化する)
表情口を完全に閉じ、自然にリラックスした真顔歯が見える笑顔、目を細めている、口が開いている
髪型目元(瞳と眉)が見え、顔の輪郭が出ている前髪で目が隠れている、サイドの髪で輪郭が隠れている

どこで撮るのが正解?撮影場所別のメリット・デメリット

主な撮影方法である証明写真機・プロの写真スタジオ・スマホ撮影を比較します。

証明写真機

街中にある証明写真機は、800円〜1,000円程度と安価で、予約不要でいつでも撮影できる手軽さが魅力です。

多くの最新機種には在留カード用の専用プリセットが用意されており、これを選択すれば面倒なサイズ設定ミスを確実に防ぐことができます。画面のガイド線に顔を合わせるだけでミリ単位の配置も容易です。

ただし、撮影回数に制限があり、表情や姿勢のアドバイスを誰からも受けられない点がデメリットです。

プロの写真スタジオ

最も確実で高品質な写真を準備できるのが、写真館での撮影です。プロのカメラマンが規格に合わせて姿勢や髪型を微調整し、最適なライティングで撮影してくれます。オンライン申請用の画像データも規格通りに受け取れるため、安心感を最優先したい場合におすすめです。

一方で、2,000円〜4,000円程度の費用がかかり、事前の予約が必要な点がデメリットと言えます。

スマホ撮影

費用を最小限に抑えたい場合、スマホで撮影して自宅やコンビニで印刷する方法があります。納得がいくまで何度でも撮り直せるのがメリットですが、再提出リスクが最も高い方法です。

家庭用プリンターやコンビニの印刷機では画質や用紙の質が原因で受け取ってもらえないことがあるため、必ず専用アプリを使用し、高画質な光沢紙に印刷する必要があります。

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【要注意】不備になりやすいNG写真の具体例

知らずに提出してしまいがちなNG写真のパターンを具体的に紹介します。

表情が硬すぎる、または笑顔すぎる

在留カード写真では、自然な表情が基本です。表情が硬すぎると平常時の顔と認識されにくく、口角の下がり方によっては口元の特徴が隠れてしまうため再提出になる場合があります。

また、目が細くなったり、笑って歯が見えたりするような過度な笑顔も、本人確認に支障が出るため不可となります。緊張しすぎず、リラックスした真顔を心がけましょう。

眼鏡のフレームや光の反射

眼鏡を着用して撮影する場合は、レンズの光の反射やフレームの位置に注意が必要です。フラッシュがレンズに白く反射して瞳が隠れたり、太いフレームが目や眉に重なって顔のパーツを隠してしまうと、それだけで再提出を求められます。不備リスクを避けるためにも、眼鏡を外しての写真撮影をおすすめします。

服装と背景が同化している

背景が白の場合に白い服を着用すると、肩や首の輪郭が背景に溶け込んで同化してしまいます。輪郭が特定しづらいと見なされ撮り直しになるため、背景とは異なる黒や紺などコントラストのはっきりした色の服を着用しましょう。

スマホでの自撮りや過度な画像加工

スマートフォンでの撮影自体は禁止されていませんが、自撮りはレンズの特性上、顔が歪みやすく適切な比率に収まりにくいためおすすめできません。

特に、美肌フィルターや輪郭・目の補正、背景の合成処理などの容姿を変える加工を行うと即座に再提出の対象となります。

ただし、写真全体の明るさ調整や軽微なノイズ除去程度であれば許容範囲とされています。また、左右が反転した写真も受け付けてもらえません。

在留カードの写真に関するよくある質問

Q:以前提出した写真は使える?

使えません。旧カードやパスポート(発行から6ヵ月以上経過したもの)に既に使われている写真と同じものを使い回すと、古い写真であることが窓口やデータ照合で即座に分かってしまい、撮り直しを求められます。

Q:オンライン申請の場合、写真データはどうすればいい?

JPEG形式の画像データをアップロードします。2026年1月のシステム改修で容量制限は大幅に緩和されましたが、アップロードをスムーズにするためには適切なリサイズが推奨されます

Q:カラコン(カラーコンタクト)はOK?

原則としてNGです。目の色や黒目の大きさを変えるカラーコンタクト・サークルレンズは、身体的特徴を変えてしまうため本人確認用として不適当です。裸眼、または度入りの透明なコンタクトレンズで撮影しましょう。

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まとめ

在留カードの写真は、あなたが日本に適法に滞在していることを証明する本人確認のための重要なデータです。そのため、ミリ単位の規格や影の有無、加工の禁止など、厳しいルールが設けられています。

不備があってもビザが不許可になるわけではありませんが、窓口での不受理や撮り直しによる手続きの大幅な遅れが発生します。スムーズに一度で完了させるため、ルールを守った正確な写真を準備しましょう。

アイデムグローバルでは、外国人材の採用・就労支援にまつわるご相談を承っています。特定技能人材4,600名以上(2026年4月30日現在)の内定実績を活かし、在留カードを含む在留資格に関する情報提供や、採用から入社後のサポートまで幅広く対応いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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