外国人を日本で雇用したい企業や、日本で働くことを目指す外国人にとって、「在留資格の審査期間」は非常に気になるポイントです。

申請してからどのくらいで結果が出るのか、なぜ審査に時間がかかるのか、少しでも早める方法はあるのか、不安や疑問を感じる方も多いでしょう。

この記事では、在留資格の基本から、申請〜入国までの流れ、在留資格ごとの審査期間の目安、審査が長引く理由や短縮のコツまでを、実務目線でわかりやすく解説します。

在留資格とは?

在留資格とは、外国人が日本に滞在し、行うことのできる活動内容や就労の可否、在留期間などを定めた法的な資格です。出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づき、日本には29種類の在留資格があり、就労可否や滞在目的に応じて区分されています。

在留資格は、日本での活動内容を明確にし、不法就労や不適切な在留を防ぐ役割を担います。なお、「ビザ(査証)」は日本へ入国するためのものであり、入国後の活動を定める在留資格とは別の制度です。

多くの外国人は入国前に「在留資格認定証明書」を取得し、これをもとにビザ申請を行います。在留資格認定証明書は、出入国在留管理庁が日本での活動内容を事前に審査し、適切であることを証明する書類です。

関連記事▶︎在留資格とは?全29種類の概要やビザとの違い、取得の方法などについて解説

外国人労働者向け主な在留資格の種類と特長

外国人労働者が取得する主な在留資格には、「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「経営・管理」があり、それぞれ目的や就労範囲、求められる要件が異なります。

以下は、主な在留資格の違いです。

在留資格主な目的・内容就労範囲・特徴在留期間の特徴
技能実習技能・技術の移転職種・作業内容が限定最長5年
特定技能1号人手不足分野の即戦力16分野で就労可通算5年まで
特定技能2号熟練技能者更新可・家族帯同可実質無期限
技術・人文知識・国際業務専門職・ホワイトカラー職務の専門性が必須更新可
企業内転勤グループ内転勤転勤前後の一貫性重視更新可
経営・管理経営者・管理者事業の実体が必要更新可

就労できない在留資格

原則として就労が認められていない在留資格は、以下のとおりです。

  • 文化活動
  • 短期滞在
  • 留学
  • 研修
  • 家族滞在

これらの在留資格では、原則として就労はできませんが、文化活動・留学・家族滞在については、「資格外活動許可」を受けることで、一定の条件下(時間数・業務内容の制限など)で就労が可能となります。

なお、資格外活動許可を得ずに働かせた場合、企業側は不法就労助長罪に問われる可能性があります。

在留資格取得の要件

在留資格の取得要件は、在留資格の種類ごとに異なり、学歴・職歴・業務内容・事業の継続性などが総合的に審査されます。

犯罪歴がある場合や、過去に銃刀法違反・麻薬事犯・不法就労・強制退去処分などを受けた経験がある場合は、原則として日本への入国や在留資格の許可が下りません。

在留資格の審査では、活動内容だけでなく、申請者の在留適格性そのものも厳しく確認されます。

企業が在留資格を確認すべき理由

企業が在留資格を正しく確認しないまま外国人を雇用すると、知らずに不法就労を助長してしまうリスクがあります。

不法就労助長罪が成立すると、企業側に罰金刑が科される可能性があり、社会的信用にも大きな影響を及ぼします。採用時の確認は、リスク管理の基本といえます。

関連記事▶︎不法就労助長罪とは?該当のケースや罰則の内容、企業が注意すべきことについて

在留資格の確認ポイント

雇用する外国人の在留資格を確認するには、在留カードの以下の点をチェックします。

  • 氏名(本人確認)
  • 在留資格の種類
  • 在留期限
  • 就労の可否
  • 資格外活動許可の有無

これらに併せて、在留カードそのものが偽装カードではないかのチェックも重要です。詳しいチェックの方法は、出入国在留管理庁の『「在留カード」及び「特別永住者証明書」の見方』を参考にしてください。

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在留資格取得から日本入国までの一般的な流れ

在留資格を取得して日本に入国するまでには、いくつかの明確なステップがあります。流れを理解しておくことで、スケジュール管理がしやすくなります。

在留資格の交付申請

日本で受け入れる企業などが、出入国在留管理庁へ「在留資格認定証明書交付申請」を行います。申請は原則として日本国内から行い、書類審査が中心です。

在留資格の交付

審査に通過すると、「在留資格認定証明書」が交付されます。これは、日本入国時に必要となる重要な書類で、原本を海外にいる本人へ送付します。

在外日本公館でのビザ申請・発給

本人は母国などの日本大使館・領事館でビザ申請を行います。在留資格認定証明書を提出することで、ビザ審査は比較的スムーズに進むことが多いです。

日本入国手続き

ビザ取得後、日本へ入国し、空港で上陸審査を受けます。なお、日本への入国は、原則として在留資格認定証明書の交付日から3ヵ月以内に行う必要があります。問題がなければ在留カードが交付され、日本での在留・就労が可能となります。

在留資格の審査期間は?

在留資格の審査期間は、資格の種類や申請内容、時期によって大きく異なります。あくまで目安を把握することが大切です。

就労系の在留資格別平均日数

就労系の在留資格を取得するのに必要な平均日数は、下記の通りです。

手続きの種類審査期間
在留資格認定証明書交付申請(新規取得)約1〜3ヵ月
在留期間更新許可申請書(期限延長)約1〜2ヵ月
在留資格変更許可申請(種類変更)約2週間〜2ヵ月

中でも、取得の人数が多い介護や特定技能1号、提出書類のハードルが高い経営・管理や技能は最大日数に近い期間がかかる傾向にあります。

出入国在留管理庁のホームページでは、過去の申請にかかった期間が公開されているので、こちらも併せてチェックしてみてください。

審査期間が長引く理由

審査期間が長引く理由としては、主に次の3つが挙げられます。

申請者(外国人)側の問題

学歴や職歴の証明が不十分な場合や、提出された卒業証明書・職歴証明書の内容に不一致や不自然な点がある場合、事実確認のため追加資料の提出や照会が行われます。

特に海外からの書類については真偽確認に時間を要することが多く、その分、審査期間が長期化しやすくなります。

企業側の問題

企業側に関する要因としては、業務内容の説明が抽象的で実態がわかりにくい場合や、直近の決算書から十分な売上・利益が確認できない場合などが挙げられます。

このようなケースでは、会社の経営状況や事業の継続性、実際に外国人を雇用できる体力があるかどうかを慎重に確認する必要があるため、追加資料の提出や詳細な説明を求められ、結果として審査に時間がかかりやすくなります。

繁忙期など時期的な問題

新卒入社や年度切り替えの時期、また年度末に向けた駆け込み申請が増える時期として、4月前後は在留資格の申請件数が大幅に増加します。

その結果、入国管理局の審査業務が集中し、通常よりも審査に時間がかかりやすくなります。

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在留資格の審査期間が長引くケース

以下のようなケースでは、在留資格の審査は通常より時間がかかる傾向があります。

必要書類に過不足がある

書類不備は、在留資格の審査期間が長引く原因として最も多いケースです。

提出書類に不足や記載漏れ、内容の不整合があると、差し戻しや追加提出が必要となり、その分審査は後ろ倒しになります。

特に初回申請では、要件を正確に把握したうえで書類をそろえましょう。

海外の学校を卒業している

学校の認可状況やカリキュラム内容の確認に時間を要することがあり、結果として審査が長引く傾向があります。

海外の学校を卒業している場合、在留資格の審査で日本の学歴区分や専攻内容との整合性を確認する必要があります。

日本の専門学校を卒業している

専門学校卒業者の場合、在留資格の審査では専攻分野と就労予定の業務内容との関連性が重視されます。

関連性がわかりにくい場合は、業務内容の詳細説明や補足資料を求められ、慎重な審査が行われます。

同姓同名が多い

同姓同名の人物が多い場合、過去の在留記録や出入国履歴との照合に時間がかかることがあります。本人確認のための追加確認が必要となり、在留資格の審査が一時的に停滞するケースもあります。

過去の在留歴に問題がある

オーバーステイや資格外活動違反など、過去の在留歴に問題がある場合は、詳細な調査が行われます。違反内容やその後の経緯によっては、在留資格の審査が厳格化され、通常より時間を要します。

会社の財務状況に不安がある

赤字決算が続いている場合や売上規模が小さい場合、安定的に雇用を継続できるかが慎重に確認されます。そのため、追加で事業計画書や補足説明を求められることがあります。

設立したばかりの会社

設立間もない会社は、実績や継続性の判断材料が少ないため、事業内容や今後の見通しが厳しく審査されがちです。事業計画や契約実績の提出が求められることもあります。

4月など申請が集中する時期

4月の新卒入社や年度切り替え時期は、企業・学校双方からの申請が集中します。その影響で処理件数が増え、通常より審査に時間がかかりやすくなります。

入国管理局内の人事異動の時期

入国管理局内で担当者の人事異動が行われる時期には、引き継ぎなどの影響で一時的に審査が滞るケースもあります。

在留資格の審査期間を短縮するためのポイント

在留資格の審査期間は完全にコントロールできませんが、下記のポイントを押さえておくことで短縮できる可能性があります。

必要書類を過不足・不備なく提出する

在留資格の審査では、提出書類の正確性と網羅性が非常に重視されます。チェックリストを活用し、必要書類に漏れがないか、記載内容に矛盾がないかを事前に十分確認することが重要です。

初回申請では、追加資料の提出を求められるケースが多いため、最初から完成度の高い申請書類を提出することで、審査の長期化を防ぎやすくなります。

業務内容・必要性をわかりやすく説明する

申請書や職務内容説明書では、外国人材が担当する業務内容を具体的かつ明確に記載する必要があります。

単に職種名を記載するだけでなく、業務の詳細や役割、日本人では代替しにくい理由などを説明することで、在留資格との適合性が判断しやすくなり、審査が円滑に進みやすくなります。

タイミングを検討する

在留資格の申請は、4月や年度末などの繁忙期を避けることで、比較的スムーズに進む傾向があります。採用や入社時期から逆算し、余裕を持ったスケジュールで申請を行いましょう。

専門家に依頼する

行政書士や登録支援機関など在留資格申請に精通した専門家に依頼することで、制度の内容を踏まえた形で書類を整えやすくなります。

要件不足や記載不備による差し戻しを防げるため、審査全体の効率化につながります。

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まとめ

在留資格の審査は、外国人が日本で適法に就労・滞在できるかを判断する重要な手続きです。審査期間は在留資格の種類や申請内容、申請時期によって異なり、書類不備や業務内容の説明不足などが原因で長期化することがあります。

外国人を雇用する企業は、在留資格と業務内容の適合性を事前に確認し、必要書類を正確に準備したうえで、余裕を持ったスケジュールで在留資格の審査に臨むことが大切です。

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