「技能実習生は何年まで日本にいられるの?」「5年に延長するには何が必要?」-外国人材の受け入れを担当する企業の担当者から、こうした疑問が多く寄せられています。

現行制度では原則3年、最長5年ですが、延長には実習生の試験合格や企業の優良認定が必要です。さらに、2027年4月からは育成就労制度が施行され、在留期間や特定技能への移行フローが変わります。

この記事では、技能実習生の滞在期間の基本から、延長条件・注意すべき職種の制限・育成就労制度への移行ポイントまで、受け入れ企業が知っておくべき情報をわかりやすく解説します。

技能実習生の滞在期間は原則3年、最長5年

現在の技能実習制度では、在留資格が技能実習1号・技能実習2号・技能実習3号に分かれており、これらを順にステップアップしていくことで、最長5年間の滞在が可能となります。

技能実習1号・2号・3号の期間と移行の仕組み

それぞれの区分の滞在期間と、移行するための仕組みは以下の通りです。

在留資格滞在期間移行(進級)の要件
技能実習1号最長1年技能検定基礎級(実技・学科)の合格
技能実習2号最長2年技能検定3級(随時3級)※実技のみの合格
技能実習3号最長2年技能検定2級(随時2級)※実技のみの受検(合格目標)
監理団体・実習実施者の優良認定が必須

入国してから最初の1年間を1号として過ごし、技能習得の準備と基礎段階を経て、2年目に入る前に技能検定基礎級の合格が必須となります。合格後は実践的な業務で技能を高めます。

そして、3年目の実習が終わるまでに技能検定随時3級などの実技試験に合格することが、4・5年目の3号へ移行して高度な実習を行うための最大の条件となります。

滞在期間を5年に延長するための必須条件

技能実習2号から3号へ移行し、合計5年間の滞在を実現するためには、企業側・実習生側の双方が条件を満たす必要があります。

実習生側の条件

  • 技能実習2号を良好に修了していること
  • 技能検定試験(3級相当)または技能実習評価試験(専門級)に合格していること
  • 素行が良好で、在留管理上の問題がないこと

企業・監理団体側の条件

  • 出入国在留管理庁から優良な監理団体・優良な実習実施者として認定を受けていること
  • 技能実習計画が適切に運用されていること
  • 法令違反や不正行為がないこと

特に重要なのが優良認定です。監理団体・実習実施者ともに優良認定を取得していなければ、技能実習3号への移行は認められません。優良認定の取得には書類審査や実地調査が伴うため、早期から準備を進めることが重要です。

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技能実習の期間を左右する職種と作業の注意点

技能実習生の滞在期間を延ばすにあたり、もう一つ重要な要素が従事している職種と作業です。すべての職種で3号への移行が認められているわけではありません。

3号移行が可能な職種と不可能な職種の確認方法

技能実習制度には、3号移行が可能な職種と不可能な職種が法令で定められています。この違いは、最長滞在期間が3年になるか5年になるかに直結するため、受け入れ前に必ず確認が必要です。

技能実習3号への移行が認められているのは、厚生労働省・法務省が告示で指定した移行対象職種・作業のみです。2026年6月時点で94職種171作業が指定されています(職種・作業数は随時更新されます)。

主な移行対象職種の例としては、以下のようなものがあります。

  • 機械・金属加工系(溶接、鋳造、鍛造など)
  • 建設・土木系(型枠施工、鉄筋施工、内装仕上げ工事など)
  • 繊維・縫製系(婦人子供服製造、ニット製品製造など)
  • 食品製造系(缶詰巻締、食鳥処理加工業など)
  • 農業・漁業系(施設園芸、養殖業など)

一方、移行対象外の職種(非移行職種)では技能実習3号への移行ができず、最長滞在期間は1号+2号の合計3年間に限られます。非移行職種は1号のみの場合もあるため、職種ごとに詳細を確認しましょう。

職種・作業の最新リストは、厚生労働省の公式サイトや外国人技能実習機構(OTIT)のサイトで確認できます。

参考:技能実習制度 移行対象職種・作業一覧

期間延長を阻むリスク要因と企業側の管理

実習期間を計画通り延長し、3年、5年と日本に滞在してもらうためには、企業側の適切な管理とサポートが不可欠です。期間延長を妨げる主なリスク要因と、企業が取るべき対策は以下の通りです。

● 実習生本人の技能検定試験不合格リスク

1号から2号、2号から3号への移行時には技能検定の合格が必須です。不合格になると原則帰国となるため、企業側で過去問を用いた勉強会の実施や実技試験の模擬練習をサポートする教育体制が必要です。

● 企業側が優良認定(優良基準)を満たせないリスク

最長5年の滞在には、受け入れ企業が優良な実習実施者と認められなければいけません。日頃からの法令遵守はもちろん、指導員・生活指導員の講習受講や相談窓口の設置など、要件をクリアするための管理が求められます。

● 1年で帰国する職種のリスク管理

2号へ移行できない職種(最長1年間)の場合、採用や初期コストの回収、毎年の採用・教育負担が経営課題となります。作業手順を極限までシンプルにしてマニュアル化し、短期間で即戦力化させる教育体制を整えるか、特定技能などへの切り替えなどのリスクヘッジを検討しましょう。

育成就労制度への移行と滞在期間への影響

外国人雇用の現場で今最も注目されているのが、従来の技能実習制度を廃止し、2027年4月1日からスタートする新制度「育成就労制度」への移行です。

この新制度の創設は、外国人材の滞在期間やキャリアにどのような影響を与えるのでしょうか。

育成就労の期間は原則3年で特定技能を目指す

育成就労制度の最大の特徴は、これまでの国際貢献(技術の移転)という建前を取り払い、明確に日本の人手不足分野での人材育成と確保を目的としている点です。

育成就労の在留期間は、原則最長3年です。技能実習の最長5年と比べると短く見えますが、育成就労はあくまで特定技能1号への移行を前提とした育成期間と位置づけられています。

育成就労を修了した後、特定技能1号に移行することで、さらに最長5年間、通算最長10年の就労が可能になります。

制度期間目的
育成就労最長3年特定技能1号取得のための育成
特定技能1号最長5年(年単位で更新)即戦力としての就労
特定技能2号上限なし(更新制)熟練した技能での長期就労

育成就労から特定技能へ移行するための条件

育成就労の3年を終えた後、そのまま特定技能1号へと移行して日本での滞在を継続するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 育成就労を3年間良好に修了すること
  • 特定技能試験(技能試験+日本語試験)に合格すること※育成就労制度では技能実習のような試験免除はなく、合格が必須
  • 在留状況に問題がないこと

もし3年間の育成就労を終える時点で試験に不合格となってしまった場合でも、一定の要件を満たせば、再受験のために最長1年間の在留期間延長(一時的な継続就労)が認められる救済措置が設けられています。

転籍制限の緩和による滞在継続へのメリット

技能実習制度では、原則として転籍は禁止されていましたが、育成就労制度では一定条件のもとで転籍が認められるようになります。

改正法では、育成就労開始から1年を経過した場合、または受け入れ企業側に法令違反や暴力行為などの問題がある場合には、外国人労働者の意思による転籍が可能です。

この転籍制限の緩和は、不適切な就労環境による失踪や帰国を防ぎ、外国人材が日本での滞在を安定して継続しやすくなる仕組みとして機能します。

企業側にとっても、適切な労働環境と良好なコミュニケーションを維持していれば、優秀な人材に長く選ばれ続け、さらには他社から新たな人材が転籍してくるチャンスにもつながるというメリットになり得ます。

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技能実習修了後も日本に残る方法

ここからは、現行の技能実習制度で来日している、あるいは近々入国する実習生が、3年または5年の実習期間を終えた後も、さらに日本に滞在し続けて働く方法を解説します。

技能実習2号・3号修了者は特定技能1号への試験免除がある

技能実習を修了した外国人が引き続き日本で働きたい場合、一般的なルートは在留資格を特定技能1号へ切り替えることです。

現行の制度では、技能実習2号または3号を良好に修了した者は、移行先の特定技能1号分野に関する技能試験と日本語試験が免除されます(分野によって異なる場合あり)。

この試験免除ルールにより、すでに日本で3年間暮らして日本語も仕事も覚えた慣れ親しんだ人材を、試験のプレッシャーなしでそのまま雇用し続けることができるようになります。

また、特定技能1号の在留期間は通算5年まで認められているため、技能実習の在留期間と合わせると最長10年間の就労が可能です。さらに、特定技能2号へ移行すれば在留期間の上限がなくなり、家族の帯同や長期的なキャリア形成も視野に入ります。

特定技能への切り替え手続きとタイミング

特定技能1号への在留資格変更手続きは、技能実習の在留期限が切れる前に行う必要があります。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 受け入れ機関との特定技能雇用契約の締結
  2. 1号特定技能支援計画の策定(登録支援機関への委託も可能)
  3. 在留資格変更許可申請の提出(出入国在留管理局)
  4. 許可・新たな在留カードの交付

申請から許可まで1〜3ヵ月程度かかるため、技能実習の在留期限の3〜4ヵ月前を目安に余裕をもって準備を進めましょう。なお、申請中は特定活動(申請中)として在留が認められるため、申請さえ適切に行っていれば、許可が下りるまでの期間も就労を継続できます。

技能実習3号への移行時に必要な一時帰国のルール

技能実習3号に移行する際には、原則として1ヵ月以上の一時帰国が義務づけられています。この点は見落とされやすい重要なルールです。

一時帰国のタイミングは、以下の2つのいずれかを選択します。

  • 技能実習3号の開始前に1ヵ月以上一時帰国する
  • 技能実習3号の開始後1年以内に、1ヵ月以上1年未満の期間で一時帰国する

なお、一時帰国の期間は技能実習3号の実習期間には含まれません。また、3号開始後1年以内に出国していれば、帰国中に3号開始から1年を経過しても再入国は問題ありません。

この際の一時帰国にかかる渡航費用は、実習実施者または監理団体が負担するものとされており、実習生本人に全額自己負担させることはできません。

また、再入国に向けた実施時期の注意点として、一時帰国は原則として3号の開始前に行いますが、やむを得ない事情がある場合は3号開始後1年以内に行う計画を立てる必要があります。

さらに、帰国期間が3ヵ月を超えるなど長期に及ぶ場合は、再入国時の手続きや査証の取り直しに注意が必要です。なお、新制度である育成就労制度ではこの一時帰国ルールは適用されません。

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まとめ

技能実習生の滞在期間は原則3年、最長5年で、優良認定の取得や特定技能への移行により最長10年の就労が可能です。しかし、2027年4月からは新制度「育成就労」へと移行し、転籍緩和や日本語要件など企業側が対応すべき実務内容は大きく変わります。最新情報を正確にキャッチし、早めの体制準備を進めていきましょう。

自社の職種は3号に移行できるのか、育成就労制度に向けてどのような労務体制を整えればいいのかなど、外国人材の採用や受け入れ、特定技能への切り替えについてお悩みがありましたら、ぜひアイデムグローバルにお気軽にご相談ください。

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