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日本で外国人を雇用する企業にとって、不法滞在や不法就労は見逃せないリスクです。知らないうちに違法状態の外国人を雇ってしまうと、企業側にも罰則が科される可能性があります。
この記事では不法滞在とは何かを基礎から整理し、不法就労との関係や企業にとってのリスク、企業が採用時に必ず押さえておくべき確認ポイントまで、専門的な視点を交えながらわかりやすく解説します。
不法滞在とは?
不法滞在とは、外国人が日本に合法的に滞在するために必要な在留資格や在留期限を守らず、期限超過や不適切な資格のまま滞在し続けている状態を指します。
これは法律に反する行為であり、本人だけでなく関与する企業にも影響が及ぶため、採用段階からの正確な確認が極めて重要となります。
不法滞在の主なパターン
不法滞在には主に3つのパターンがあります。
・不法入国
正規の旅券・査証を取得せず、許可された方法以外で日本に入国する行為を指します。密航や他人名義のパスポート利用などが該当し、入国時点で重大な違法行為となります。
・不法上陸
入国の許可を受けていないにも関わらず、日本国内に上陸する行為です。クルーズ船・航空機などで入国審査を受けず上陸するケースが典型で、入国審査の回避そのものが違法となります。
・不法残留(オーバーステイ)
在留期限を過ぎても日本に滞在し続ける行為です。不法滞在の中でもっとも多いケースで、更新手続きの遅れ、放置、管理不足などによって発生します。
こうした理由は、企業側の管理不足によって見逃されることも多く、トラブルを招く原因となります。
不法滞在者の罰則
不法滞在者には以下のような罰則があります。
- 退去強制(強制送還)
- 3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金
- 原則として5年間、再入国不可
かなり厳しい措置が科されますが、不法在留者が自主的に入管へ出頭し、一定期間内に自費で出国した場合は、通常5年となる上陸拒否期間が 1年に短縮される制度 があります。
また、日本人と結婚している、あるいは日本国籍の子どもがいるなど特別な事情が認められる場合には、”在留特別許可”が与えられ、正規の在留資格を取得できる可能性もあります。

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不法滞在と不法就労の関係
不法滞在と不法就労は混同されがちですが、法律上は別の概念です。
ただし実際には密接に結びついており、企業にとって注意すべき重大リスクになります。
不法滞在者が働くケース
在留期限を過ぎた時点で、その外国人は就労資格の有無に関係なく働くことが禁止されます。たとえ過去に就労可能な資格であったとしても、不法滞在状態になった瞬間に労働は違法となります。
企業が気付かずに雇い続けるケースもあるため、定期的な在留カードチェックが必須です。
就労資格を持たずに働くケース
留学、家族滞在、特定活動など、就労が許されていない在留資格のまま働くのは完全に違法です。本人だけでなく、雇用した企業にも罰則が科される可能性があります。
採用時の確認漏れが原因になることも多いため、注意が欠かせません。
許可された範囲を超えて働くケース
就労できる在留資格でも、許可された活動内容や就労時間には制限があります。
例としては、
- 留学生:週28時間以内
- 技術・人文知識・国際業務 :専門業務以外は禁止
- 特定活動:許可された内容に限定
などがあります。
これらの制限を超えると不法就労扱いとなり、企業側も処罰されるリスクが高まります。
企業が知っておくべき「不法就労助長罪」のリスク
企業にとって最も注意すべき法律が「不法就労助長罪」です。
知らなかったでは済まされないケースも多いため、制度理解が欠かせません。さらに2025年の法改正により、不法就労助長罪の罰則は大幅に強化され、企業側の責任は以前よりも重く位置づけられるようになりました。
これにより、採用管理・在留資格確認の重要性は一段と高まっています。
不法就労助長罪とは?
入管法第73条の2で規定される罪で、「不法就労をさせる」「あっせんする」「助長する」行為を禁止しています。
意図的でなくても、企業の管理不足によって結果的に違法状態にしてしまうと、罪に問われる可能性があります。
企業に科せられる罰則
不法就労助長罪を犯した場合、企業には以下の罰則が科せられます。
- 3年以下の懲役
- 300万円以下の罰金
- またはその両方
不法就労助長罪は罰則が厳しく、初犯でも実刑判決が下されることもあります。企業にとって甚大な影響を及ぼすため、法令遵守体制の整備が必須です。
法令違反がもたらすダメージ
法的処分だけでなく、企業には時間的・経済的な損失、信用の失墜、今後の採用活動への悪影響など、多方面にわたるリスクが発生します。
これらは企業ブランドに深刻な打撃を与えるだけでなく、中長期的な事業運営にも影響を及ぼしかねません。日頃から適切な管理を徹底することが求められます。

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不法就労を防ぐために企業がするべきこと
不法就労を防ぐために企業が取るべき対策は、採用時のチェックと雇用後の管理です。制度理解と社内体制の構築が、重大トラブルの未然防止につながります。
在留カードを確認
外国人労働者の持つ在留カードをしっかりと確認することが、不法就労を防ぐための重要なポイントです。確認すべき内容について、詳しく見ていきましょう。
在留カードの有無・真偽を確認
まずは外国人労働者が在留カードを所持しているかどうかを確認します。
所持が確認できたら、カードが本物であるか、偽装ではないかをチェックしましょう。本物の在留カードには以下のような偽装防止の加工が施されているため、簡単に確認することができます。

また、出入国在留管理庁による「在留カード等番号失効情報照会」で執行した在留カードの番号を確認することも可能です。
表面の就労制限を確認

在留カードの表面にある「就労可」「就労不可」「資格外活動許可あり」などの区分を必ず確認します。
確認ミスはそのまま不法就労につながるため、慎重なチェックが重要です。
また、就労区分は更新や資格変更によって内容が変わる場合があるため、採用時だけでなく雇用期間中も定期的に最新情報を確認する仕組みを整えておくことが企業に求められます。
裏面の資格外活動許可欄を確認

留学生・家族滞在者が働く条件は裏面の資格外活動許可欄に詳細が記載されています。
この欄には「週28時間以内」などの具体的な制限内容が明記されており、企業はその範囲内での雇用であるかを確認する必要があります。
記載がない場合は原則として就労が一切できず、無許可のまま働かせると不法就労につながるため、採用時・雇用継続時の両方で慎重なチェックが求められます。
在留期間(有効期限)を企業側でも管理
外国人の雇用後は、在留期間を企業側でも管理することで不法就労を防ぐことができます。
- 期限の1〜2ヵ月前に更新状況を確認
- 更新手続きが遅れていないかを本人に定期的にフォロー
- システムや管理表での期限管理を徹底
在留カードのコピーを企業側で保管するなど、更新忘れが起きない仕組みを構築することも重要です。
行政手続き(外国人雇用状況届出)の提出
企業は外国人を雇用した際、厚生労働省へ「外国人雇用状況届出」を提出する義務があります。採用時と離職時の両方で必要であり、未提出は行政指導の対象になります。
また、届出を怠ったり虚偽の申請を行った場合には 30万円以下の罰金 が科されることもあり、正確かつ適切な提出が強く求められます。
期限などの詳細については、厚生労働省のホームページを確認してください。
まとめ
不法滞在や不法就労は外国人だけでなく、企業にも大きなリスクをもたらします。採用時の在留カード確認、有効期限管理、行政手続きの徹底は、企業にとって欠かせないコンプライアンス対応です。
適切な体制を整えることで、外国籍人材の雇用を安心かつ健全におこなうことができ、結果として企業の発展にもつながります。
アイデムグローバルでは、特定技能外国人の雇用をサポートしています。採用から雇用後の支援までを一貫しておこなっているため、在留カードの更新手続きや行政への届出などといった煩雑な作業もサポート可能です。
特定技能外国人の雇用を検討している企業様は、ぜひ弊社アイデムグローバルまでお気軽にご相談ください。

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