職場での何気ない一言や態度が、「レイハラ(レイシャルハラスメント)」に該当する可能性があることをご存じでしょうか。

レイハラとは、人種・国籍・民族などを理由に、相手を不当に扱ったり、人格を傷つけたりする行為を指します。

近年は外国人労働者の増加により、企業でもレイハラ対策が重要なコンプライアンス課題となっています。

この記事では、レイハラの基本的な定義から、言語・外見・環境別の具体事例、企業が取るべき防止策までをわかりやすく解説します。

レイハラ(レイシャルハラスメント)とは?

レイハラとは、「レイシャルハラスメント」の略で、人種・民族・国籍などを理由とした差別的な言動や嫌がらせを指します。
差別的な発言や不利な扱いを通じて相手に精神的苦痛を与える行為であり、同僚や上司、部下など、あらゆる職場関係で起こりうるハラスメントです。

日本に限らず国際的にも問題視されており、「国連人種差別撤廃条約」では、加盟国に対し、人種差別を撤廃するための政策の推進と効果的な措置の実施が義務付けられています。

(参照:外務省、「人種差別撤廃条約」)

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レイハラの3つの留意点

レイハラは言葉による差別だけでなく、業務上の不平等や人間関係のなかでも起こります。
ここでは、職場で押さえるべき3つの留意点を具体的に解説します。

暴言や行動による嫌がらせ

人種や国籍を理由に侮辱的な発言や決めつけ、あだ名、無視したりするなどの行動で人格や尊厳を傷つける行為を指します。

業務上の不平等や待遇差

国籍や人種を理由に、昇進・評価・業務内容を制限することは、不当な差別にあたります。
このような行為は、労働基準法や労働施策総合推進法(パワハラ防止法)などに抵触する可能性があり、企業にとって法的リスクにもつながります。

(参照: e-Gov 法令検索、「労働基準法第3条(均等待遇) 」)

あらゆる職場関係で発生する可能性

レイハラは、職場の上下関係に限らず、どのような関係性でも起こりうるハラスメントです。
立場に関係なく、誰もが被害者・加害者になる可能性があるため、一人ひとりが意識して注意する必要があります。

レイハラが起きる原因と背景とは

レイハラの理解不足

日本では、まだレイハラという概念が十分に浸透しておらず、何が「レイハラ」に該当するのかの知識や理解が不足している人も少なくありません。

そのため、悪意がないままレイハラを行ってしまうケースも見られます。

無意識のコミュニケーション不全

言語の違いによってコミュニケーションが不足しやすく、その結果、「無視された」「仲間外れにされた」と受け取られてしまうケースもあります。

意図しない誤解を防ぐためにも、相手の立場や気持ちを尊重したコミュニケーションを心がけることが重要です。

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法令遵守(コンプライアンス)の観点から見るレイハラ対策

企業は法令に沿って、安心して働ける職場環境づくりに取り組む必要があります。ここでは、特にレイハラ防止に関係する代表的な法令を紹介します。

人種差別撤廃条約

人種差別撤廃条約は、1969年に発効し、日本は1995年から加入している国際条約です。

このように、世界的に「人種差別をなくそう」という動きはすでに数十年前から進められており、2016年時点では約177ヵ国がこの条約に加入しています。

ヘイトスピーチ解消法

ヘイトスピーチ解消法とは、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律」の通称です。

特定の民族や国籍に対する差別的な言動を防止・解消するための基本的な考え方を示し、地方公共団体による啓発活動などの取り組みを促すことを目的としています。

(参照:e-Gov法令検索、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律 」 )

労働施策総合推進法(パワハラ防止法)

労働施策総合推進法はいわゆるパワハラ防止法です。

正式名称は、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」といいます。

下記、法令より引用です。

事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
(引用元:e-Gov法令検索、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」)

これらの3つの要素をすべて満たす場合に、パワーハラスメントと判断されます。

一方で、業務上必要で妥当な指示や指導は、パワーハラスメントには該当しません。

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注意すべきレイハラの具体例

職場で起こりうるレイハラを、言葉・外見・環境ごとに整理しました。

言葉によるレイハラ

人種や国籍を理由にした発言や呼称によって、相手を侮辱したり、決めつけたりする行為です。無意識でも偏見を助長し、精神的苦痛を与えます。

シチュエーション具体例なぜ問題か
同僚との会話「〇〇人は〇〇だから……」と決めつける発言人種や国籍で人格や能力を判断することは偏見・差別
あだ名・ニックネーム特定の国籍や民族を蔑称(べっしょう)で呼ぶこと差別的な呼称で人格を傷つける

実際に米国メイン州バンゴーの企業では、黒人の元従業員が勤務中に人種差別的な侮辱や暴行を受けたとして、同社を相手取り連邦訴訟が提起された事例もあります。

(参照:AP News、「Lawsuit alleges racial harassment at a Maine company that makes COVID-19 swabs 」)

外見・行動によるレイハラ

外見やしぐさ、態度など、言葉以外のコミュニケーションによって行われるレイハラも少なくありません。

本人に悪意がなくても、相手の文化や人種的特徴を揶揄・模倣する行為は、差別的と受け取られる恐れがあります。

シチュエーション具体例なぜ問題か
外見肌の色が異なることを指摘する差別的意味合いを含むため
ジェスチャー目を細める、文化的な服装や髪型を真似て茶化す文化や外見を侮辱する行為は人格攻撃

アメリカのEEOC(雇用機会均等委員会)でも、人種や肌の色を理由にした嫌がらせは違法とされており、侮辱的・攻撃的な言動はハラスメントに該当すると説明されています。

(参照:U.S. Equal Employment Opportunity Commission、「Race/Color Discrimination 」)

環境・制度上のレイハラ

人種や国籍を理由に、昇進や業務配分、情報共有で不利に扱うことです。個人の能力ではなく属性で差別する点が問題です。

シチュエーション具体例なぜ問題か
昇進・評価「〇〇国出身だから昇進は難しい」国籍を理由に機会を制限するのは不当差別
重要業務の割り当て特定の人種だけ重要な案件に関与させない能力で判断せず差別的に扱う行為
社内研修・会議特定民族の人を情報共有や会議から意図的に外す職場での公平な情報アクセスを妨げる

レイハラが企業にもたらす人手不足のリスク

レイハラ問題が表面化すると、SNSなどで拡散され、企業の社会的信用やブランド力が失墜するリスクがあります。

こうした事態は、優秀な人材の離職を招くだけでなく、将来的な採用力の低下にもつながり、企業の存続に関わる深刻な事態を招く恐れがあります。

安心できる環境を作るための対策法

職場でのレイハラを防ぐには、社内研修や就業規則の整備、外部相談窓口の設置、採用時のミスマッチ防止など、実務に即した対策が求められます。

レイハラに対する認知度が低い場合、意図せず行ってしまう可能性があります。

したがって、社内研修や就業規則で具体的にどのような行為がレイハラに該当するかを明確にし、教育の機会を設けることが重要です。

外部相談窓口の設置

レイハラだと感じた際に、すぐ相談できるよう外部相談窓口を設置することも有効な対策です。

公益通報者保護法は2025年に改正され、2026年12月の施行を予定しており、従来より通報者の保護が強化されます。

これにより、「通報しない誓約書」を書かせたり、正当な理由なく通報を妨げる行為が禁止されるなど、より安全に通報できる体制が整備される予定です。

(参照:政府広報オンライン、「公益通報者保護法が改正。「内部通報制度」で不正をストップ!」 )

採用のミスマッチを防ぐ

自社単独での採用だと文化背景や労働観を十分に把握できず、レイハラのリスクをともなうミスマッチが起きる可能性があります。

専門の人材紹介会社を活用することで、文化的背景や働き方の理解を事前に深められるため、入社後のトラブルを最小限に抑えられます。

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まとめ

レイハラ(レイシャルハラスメント)とは、人種・国籍・民族などを理由に相手を不当に扱ったり、精神的苦痛を与える行為です。日本だけでなく、世界でも課題となっているグローバルな問題です。

職場でレイハラを防ぐには、社内研修や就業規則の整備、外部相談窓口の設置などの取り組みが欠かせません。加えて、採用の段階で文化的背景や働き方の違いを理解することも、トラブル防止につながるでしょう。

アイデムグローバル』では、外国人材の採用から入社後のフォローまで一貫してサポートしており、職場環境への配慮も含めたマッチングを行っています。
これにより、レイハラのリスクを最小限に抑え、誰もが安心して働ける環境づくりが可能です。

外国人採用を検討している企業様は、お気軽にお問い合わせください。