労働力不足が深刻化する日本において、外国人労働者は今や欠かせない存在となっています。

しかし、受け入れが進む一方で、職場の差別やコミュニケーションの壁に悩み、職場での課題につながるケースも少なくありません。

本記事では、外国人労働者が差別を感じる具体的な事例や、その背景にある社会的な原因を解説します。

外国人労働者が増えている背景

日本では少子高齢化により人手不足が深刻化しており、その解決策として外国人労働者の受け入れが進んでいます。

政府の支援制度を活用すれば、企業は補助金や助成金を受けられるため、受け入れのハードルも低くなります。

さらに、「特定技能」の在留資格により、外国人にとっても日本で手に職を付けやすい環境が整っていることも増加の理由のひとつです。

こうした背景から、企業にとっても外国人労働者を受け入れやすくなっており、その数は年々増加しています。

(参照:厚生労働省、「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)

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外国人労働者が感じる差別の具体例

外国人労働者は、労働環境や昇進制度、ハラスメント、住居など、さまざまな場面で差別や不公平を感じることがあります。具体例を紹介します。

労働環境の厳しさ

外国人技能実習生の労働環境は厳しく、違法行為も少なくありません。2022年には、実習実施者の73.7%が労働基準法違反をしていたことが報告されています。

違反の内訳を見ると、安全基準や賃金に関する違反が約4割を占めています。こうした環境下であれば、外国人が「差別を受けている」と感じるのも無理はありません。

(参照:厚生労働省、「外国人技能実習生の実習実施者に対する令和4年の監督指導、送検等の状況を公表します」)

今後は、特定技能人材の育成を目的とする育成就労制度が新制度として導入される予定です。

年功序列による昇進の課題

日本では今なお年功序列のメンバーシップ型の企業が多く存在します。

この制度では、努力やスキル、成果が評価に反映されにくく、実力主義に慣れた外国人労働者ほど、昇進の機会が限られていると感じやすくなります。

特に、上昇志向の高い優秀な外国人にとっては、モチベーション低下や早期離職の要因にもなりかねません。

国籍や年齢に関係なく能力や実績を公正に評価し、適切な処遇や明確なキャリアパスを示す柔軟な人事制度の構築が求められています。

ハラスメント・差別的言動

外国人労働者に対する暴力や暴言は、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令に違反する行為であり、内容によっては刑法に抵触する可能性もあります。

しかし現実には、技能実習生を中心に身体的暴力や虐待といった深刻な人権侵害が発生しています。

建設会社で働いていたベトナム人技能実習生が、職場で日本人従業員から約2年間にわたり殴る・蹴るなどの暴行を受けていた事例も報告されています。

(参照:朝日新聞、「ベトナム人技能実習生「2年間暴行された」 たたく・蹴る……骨折も」)

この事案を受け、法務省は当該企業の技能実習計画の認定を取り消す行政処分を行いました。
(参照:厚生労働省・出入国在留管理庁・外国人技能実習機構、「技能実習生に対する人権侵害行為について(注意喚起)」)

企業には、外国人労働者に対する差別やハラスメントを防止するため、適切な労務管理と職場環境の整備が求められます。

住居・生活上の差別

外国人であることを理由に、マンションやアパートの賃貸契約を断られるケースがあります。

日本の保証人がいないことを理由に入居を拒否されたり、物件情報に「外国人不可」と明記されている例も見られます。こうした状況は、外国人労働者が日本で安心して生活するうえで大きな障壁となります。

厚生労働省は「外国人労働者の雇用管理の改善等に関する指針」において、『事業主による渡航費用の負担、住居の確保等の募集条件の詳細について、あらかじめ明確にするよう努めること』と明記しています。

(参照:厚生労働省、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」)

令和4年度の調査では「家を探すとき」に23.8%の方が差別を受けたと感じています。

(参照:出入国在留管理庁、「令和4年度 在留外国人に対する基礎調査」、P12

外国人労働者に対しての差別が生まれる原因

外国人労働者が職場や日常で差別を感じる背景には、文化の違いや偏見、社会的構造の問題など、さまざまな要因があります。

文化への理解不足

外国人労働者が職場で差別や不満を感じる背景には、文化や価値観への理解不足があります。

例えば、キリスト教徒では日曜礼拝に、イスラム教徒では礼拝日や食事制限などに配慮が求められる場合があります。

摩擦や不満の原因となるため、異文化理解の教育や多様性を尊重した職場環境を整えることが望まれます。

差別意識と社会的構造

外国人労働者が職場で差別や不公平を感じる背景には、一部の日本人の無意識バイアスや社会構造上の偏見があります。

また、外国人労働者のなかには日本のルールや習慣を十分に理解できず、それが誤解や偏見につながる場合もあります。

こうした状況を改善するためには、教育や啓発を通じて偏見を正し、多様性を受け入れる意識を職場や社会全体で育むことが重要です。

外国人労働者を同じ社会の一員として尊重する姿勢を整えることは、企業や社会の健全な発展にもつながります。

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外国人労働者の差別を減らすためには

外国人労働者への差別を減らすには、職場の教育やルール整備を通じて、公平で尊重できる環境を作ることが求められます。

コンプライアンスの意識の向上

外国人労働者受け入れ前に、日本人社員のコンプライアンス意識を高めることが不可欠です。

労働契約や待遇に関する規定を平等に整備し、差別や不当な扱いを防ぐことで、社内環境の公平性と法令遵守を確保できます。

研修やマニュアル整備を通じ、全員がルールを理解し、適切に運用できる体制づくりが求められます。

詳細は、厚生労働省の「外国人雇用管理指針」をご参照ください。

(参照:厚生労働省、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」)

関連記事▶外国人労働者の雇用で企業が守るべき法律とは?

暴力・ハラスメント対策

外国人労働者への暴力・ハラスメントは許されません。社内規則や処分基準を明確にし、研修や教育を通じて意識を高めることが重要です。

また、相談窓口を整備し、問題発生時に迅速かつ適切に対応できる体制を構築することで、防止体制を強化できます。

コミュニケーションの促進

現場の日本人従業員は、外国人労働者とのコミュニケーションにストレスを感じることがあります。日本人同士なら簡単に伝わることも、言語や文化の違いによってうまく伝わらないことがあります。

こうした問題を防ぐには、外国人とのコミュニケーション能力を高める必要があります。個人だけでは難しい場合、会社が研修を実施すると効果的です。

また、日本では言葉にしない暗黙の了解や「察する文化」が根強く、相手の意図を自分で読み取ることが前提とされる場面が多く見られます。

この日本特有のコミュニケーション様式は、言語や文化が異なる外国人労働者にとって理解が難しく、意思疎通のズレや誤解の原因になることが指摘されています。 

こうしたコミュニケーションギャップが原因で、外国人労働者が職場で孤立感や不満を感じるケースもあるため、明示的な対話や説明を心がけることが重要です。

公平な評価とキャリアプランの明確化

明確なキャリア評価とキャリアプランの策定は、公平な評価とモチベーション向上に不可欠です。

企業は評価基準や求める成果を明確に伝え、外国人労働者が自分の目標を理解できるようにします。これにより、意欲的に仕事に取り組める環境が整います。

労働環境の整備

ダイバーシティ推進の一環として、外国人労働者が働きやすい環境を整えることが求められます。

具体的には、以下の取り組みが挙げられます。

  • 契約書やマニュアルの母国語化
  • 日本語学習の支援
  • 翻訳ツールの導入

これらを通じて、相互理解とリスペクトのある職場環境を促進できるでしょう。

厚生労働省は、外国人労働者の雇用管理に関する支援ツールとして、「雇用管理に役立つ多言語用語集」を提供しています。契約書や労働条件を説明する際に、このツールを使うと外国人が内容を理解しやすくなります。

(参照:厚生労働省、「雇用管理に役立つ多言語用語集」)

母国語化や理解支援を通じて、外国人労働者の働きやすい環境の整備につなげることが可能です。

まとめ

外国人労働者は、日本の人材不足を支える大切な存在です。

しかし、職場や生活のなかで、労働環境の厳しさや昇進制度の課題、ハラスメント、住居の制約など、さまざまな差別や不公平を感じるケースがあります。これらの背景には、文化の違いや無意識バイアス、社会構造上の課題があるとされています。

こうした課題を解決するには、職場での教育や啓発、明確なルールと評価制度、コミュニケーション支援、労働環境の整備が不可欠です。

外国人労働者を尊重し、多様性を受け入れる環境を整えることで、職場の信頼関係や生産性の向上につながります。

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