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「募集を出しても応募が来ない」「若手社員が定着せず、慢性的に人が足りない」など、多くの企業の担当者さまが、人手不足の悩みに直面しているのではないでしょうか。
現在、日本の労働市場における人手不足は一過性の景気変動によるものではなく、構造的な問題へと変化しています。
今回は厚生労働省の最新データに基づき、日本人が人手不足となっている根本的な原因を深掘りし、企業が今すぐ取り組むべき具体的な解決策を解説します。
日本の人手不足の原因
なぜ、これほどまでに人手が足りない状況が続いているのでしょうか。その背景には、大きく分けて3つの構造的な要因があります。
少子高齢化
最も深刻かつ直接的な原因は、少子高齢化にともなう生産年齢人口(15〜64歳)の急激な減少です。日本の労働力供給は、人口減少の波をダイレクトに受けています。特に、若年層の労働者が減る一方で、高齢者層の割合が増加しており、物理的に働ける人の数が目減りしているのが現状です。

(引用:令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-|厚生労働省 P.114)
厚生労働省の「労働経済の分析」によると、2023年時点で日本の人口のうち65歳以上の割合は29.1%、2040年には35%程度まで上昇する見込みで、少子高齢化による労働力供給の低下は今後も続くと予想されています。
ただし、時間あたりの労働生産性や65歳以上の労働参加率が上昇していることから、施策次第では人手不足の進行を食い止められる可能性もあります。
需要と供給のギャップがある
次に挙げられるのが、労働市場における需要と供給のミスマッチです。

(引用:令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-|厚生労働省 P.130)
同資料によると、「企業が必要とする総労働力」=「労働力需要」と、「労働市場に参加している者が供給できる最大の総労働力」=「労働力供給」にギャップがあり、2017年以降、供給が需要に追いついていない状況が目立ちます。
労働力需給ギャップは、さまざまな産業で起こっています。その理由として、求職者が希望する労働条件が多様化し、給与や勤務時間、テレワークの可否などが、企業が提示する条件とマッチしないことが一因と考えられます。
大企業に人材が集中している
さらに、限られた人材が大企業に集中し、中小企業に行き渡らないという格差の問題もあります。

(引用:令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-|厚生労働省 P.132)
上記の資料からもわかるように、前職以上の規模への転職は活発化しているものの、規模の小さい企業への転職は低調傾向が続いています。
福利厚生や給与水準、ブランド力で勝る大企業は、人手不足の状況下でも比較的採用を維持しやすいです。他にも、大企業にはキャリアアップの機会や安定性などの魅力があり、労働力が集まりやすい傾向にあります。その結果、特に地方や中小企業において、より深刻な人手不足の二極化が発生しています。

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人手不足が深刻な業界とその現状
厚生労働省の「労働経済動向調査(令和7年11月)」では、人手不足と感じている事業所が多いことを示す「労働者過不足判断D.I.」が公表されています。同調査によると、労働者過不足判断D.I.が高い業界として下記が挙げられました。
| 正社員 | パートタイム |
| 建設業 | 宿泊業,飲食サービス業 |
| 運輸業,郵便業 | サービス業(他に分類されないもの) |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 卸売業,小売業 |
また、帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2025年10月)」によると、人手不足を感じる企業の割合が大きい業界は、下記のとおりであることが明らかになりました。
| 正社員 | 非正規社員 |
| 建設 | 旅館・ホテル |
| 情報サービス | 飲食店 |
参考:人手不足に対する企業の動向調査(2025年10月)|帝国データバンク
以上のデータをもとに、人手不足が深刻な業界を取り上げ、各業界の現状と人手不足の理由をご紹介します。
建設業
インフラの老朽化などから建設業の需要が拡大しているものの、 現場を支える熟練の技能労働者の高齢化が深刻化しています。60歳以上の層が厚い一方で、長時間労働や日給制などの労働環境が若者に敬遠されやすく、次世代への技術継承が課題です。
運輸業
ECの急速な普及により荷物量が爆発的に増加する一方で、ドライバーの数は不足しています。
長時間労働や低賃金の改善の他、荷待ちとよばれる待機時間の削減など、抜本的な処遇改善が急務となっています 。
情報サービス業
あらゆる産業でDX推進が図られ、エンジニアやデータサイエンティストへの需要が高まっています。
情報サービス業では、 単なる数の不足だけでなく、AIやクラウドなど最新技術に対応できる質の高い人材の争奪戦が激化しています。
宿泊業
コロナ禍後のインバウンドの回復により稼働率が急上昇していますが、コロナ禍で離職したスタッフが戻りきっていません。
季節や曜日による需要の変動が大きく、シフト管理の難しさが離職の一因となり、人手不足に拍車をかけています。
飲食業
インバウンド需要の回復により、現場を支えるパート・アルバイトスタッフの確保が求められています。飲食業では学生や主婦など、短期で離職するケースが多く、長期雇用が難しい傾向にあります。
ただし、スポットバイトの普及により、人手不足はやや改善されつつあるといえます。
人手不足解消のため企業がすべき対策
構造的な人手不足を打破するためには、求人票を出して待つという従来のスタイルからの脱却が必要です。具体的には、次のような対策が挙げられます。
労働環境を整え、誰でも働きやすい企業を目指す
労働条件の希望が多様化しているのに合わせ、時短勤務やフレックス、リモート、副業の許可など、誰でも働きやすい環境を整えましょう。
柔軟な働き方を認めることで、育児と仕事を両立したい子育て世代や、短時間勤務を希望するシニア層など、これまでリーチできなかった人材層を確保できるようになります。
労働環境の整備は、新たな人材の確保だけでなく、既存社員の離職の予防にも効果的です。
従業員のスキルアップを図る
内部人材の育成に投資するのも、有効な戦略です。新たな技術や知識を習得するリスキリングを支援することで、限られた人数で高い付加価値を生み出す組織へと変革できます。これは従業員のモチベーション向上と定着率アップにもつながります。
パーソル総合研究所の調査によると、20代は仕事を選ぶうえで「成長できること」を重視し、その傾向は2019年から2023年にかけて上昇傾向であることが明らかになっています。社員の教育体制を整えることは企業の魅力アップにつながり、若年人材の確保にも役立つといえるでしょう。
参考:20代若者の仕事の考え方―仕事選びに求めること、転職の考え方、仕事に抱く感情から探る
DXで生産性を向上させる
限られたリソースで生産性を上げるには、DXによる業務の効率化が有効です。RPA(ロボットによる業務自動化)やAIの活用、クラウドツールの導入により、ルーティンワークを効率化することで、従業員はより創造的で、売上に直結する業務に集中できるようになります。
外部の労働力を活用する
正社員採用にこだわらず、業務委託によるアウトソーシングや、スポットバイトを柔軟に活用することも検討してください。プロジェクト単位や時間単位で専門スキルを持つ人材をアサインすることで、採用コストを抑えつつ、即戦力を確保することが可能です。
株式会社インフォマートがおこなった調査によると、スポットバイトを活用している飲食店のうち、8割以上がスポットバイトをパートやアルバイトの長期雇用へ切り替えた経験があると回答しています。

(引用:【飲食店の業務課題とスポットワークに関する実態調査】8割以上が「長期雇用実績あり」スポットワークが長期雇用の入口に)
外国人材を雇用する
国内の労働力だけでは限界があるなか、大きな可能性を秘めているのが外国人材の雇用です。
厚生労働省の統計によると、令和6年10月末時点で国内の外国人労働者は約230万人に達し、過去最多を更新しました。製造業やサービス業を中心に、さまざまな産業分野で外国人材が活躍しています。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)|厚生労働省

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人手不足解消を目的とした特定技能制度
人手不足解消のため企業がすべき対策の1つとして、外国人材の雇用を挙げましたが、特に有力な選択肢として特定技能制度が注目されています。
特定技能とは、深刻化する人手不足に対応するため、特定の産業分野において一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格です。
特定技能1号では、建設や農業、飲食料品製造、宿泊など16種類の分野が対象で、幅広い分野で特定技能外国人が受け入れられています。
特定技能は、アウトソーシングやスポットバイトとは異なり長期的な雇用を前提としています。また、人材が持つ専門性も保証されているため、長く働けてかつ即戦力となる人材を求めるなら、特定技能外国人の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。
特定技能について詳しくは、下記の記事をご参考にしてください。
特定技能外国人を雇用するには?
特定技能外国人を雇用するおおまかな流れは、以下のとおりです。
| 手順 | 内容 |
| 1.受け入れ要件の確認 | 特定技能受け入れ企業の要件を満たしているか確認する |
| 2.採用活動 | 求人サイトや人材紹介会社による採用活動をおこなう |
| 3.雇用契約の締結 | 日本語と母国語両方の雇用契約書を結ぶ |
| 4.支援計画の策定 | 事前ガイダンスや生活オリエンテーションなど、外国人材の支援計画を策定する |
| 5.在留資格の申請 | 海外から新たに外国人材を受け入れる場合:在留資格認定証明書交付申請国内にいる外国人を受け入れる場合:在留資格変更許可申請 |
手続きの詳細は、以下の記事でご紹介しています。
特定技能外国人の採用にはさまざまな手続きが必要であり、社内にノウハウがない場合はより手間と時間がかかります。こうした課題を解決するのが、登録支援機関です。
登録支援機関の「アイデムグローバル」は、これまで数多くの企業さまの特定技能人材採用をサポートし、特定技能内定実績は4,300名以上に及びます。(2026年2月1日時点)
外国人材のご紹介はもちろん、受け入れ手続きのサポートや入社前後の支援など、外国人採用をトータルでお手伝いいたします。
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まとめ
日本人の人手不足は、少子高齢化や労働力と企業のミスマッチなどが原因です。
人手不足はさまざまな分野の課題となっており、多くの企業で労働環境の整備やDXなどの対策が急務となっています。なかでも特定技能外国人の活用は、人手不足解消の有効な施策として注目されています。
人手不足にお悩みの企業さまは、自社の現在の課題がどこにあるのかを洗い出し、最適な対策を1つずつ実行に移してみてはいかがでしょうか。

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