外国人を雇用している企業の中には、従業員から「永住権を取得したい」と相談を受けるケースもあるのではないでしょうか。

永住許可の申請では多くの書類を準備する必要があり、在留資格の種類によって必要書類や手続きのポイントも異なります。企業として制度を理解しておくことで、従業員の定着支援や長期雇用の判断にも役立てることができるでしょう。

この記事では、永住許可の基本条件を整理したうえで、在留資格ごとの必要書類や審査期間の目安、申請時に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

永住権取得の条件をおさらい

永住許可を申請するためには、入管法で定められている一定の要件を満たしている必要があります。まずは法律上の基本要件を確認しておきましょう。

入管法では、永住許可の主な要件として次の3つが定められています。

①素行が善良であること

②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

これらの法律要件を満たしているかどうかは、実務上は次のような具体的な条件によって判断されることが一般的です。

  • 原則として10年以上日本に継続して在留している
  • 年収が300万円程度あるなど、安定した収入がある
  • 犯罪歴や前科がない

ただし、日本人の配偶者や高度人材などの場合は、在留年数の要件が緩和されるケースもあります。永住許可の詳しい要件や判断基準については、下記の記事をあわせてご覧ください。

関連記事▶︎永住権取得条件とは?外国人採用で知っておきたい基礎知識
関連記事▶︎永住者とは?取得要件や他の在留資格との違い、外国人採用のメリットを解説
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【全在留資格共通】永住許可取得に必要な書類

永住許可申請では、すべての申請者に共通して求められる基本書類があります。まずは共通書類を理解し、そのうえで在留資格ごとの追加書類を確認することが大切です。

永住許可の申請では、基本的に以下の書類を提出します。

必要書類概要準備方法
永住許可申請書永住許可を申請する際に提出する基本書類出入国管理庁のHPからダウンロードし、本人が記入
身元保証書日本での生活を保証する人物が記入する書類出入国管理庁のHPからダウンロードし、身元保証人が記入
写真申請書に添付する本人写真(縦4cm×横3cm)申請前3か月以内に撮影申請人が15歳以下の場合は不要
在留カード現在の在留資格や在留期間を確認するためのカード提出時に窓口で提示
資格外活動許可書アルバイトなど資格外活動の許可を受けている場合に必要提出時に窓口で提示
パスポート本人確認および出入国履歴を確認するための書類原本を提示し、必要に応じてコピーを提出
身分証申請を代行する場合、その代行者の身分証が必要運転免許証やマイナンバーカードなどを提示

特に重要なのが税金・年金関係の書類です。近年は審査が厳格化しており、住民税や年金の未納がある場合は永住許可が認められない可能性があります。

また、理由書は審査官に対して申請の背景を説明する重要な書類です。日本での生活状況、今後の定住意思、社会への貢献などを具体的に記載するとよいでしょう。

配偶者から永住権を取得する場合の必要書類

「日本人の配偶者等」は、日本人と結婚している外国人や日本人の実子・特別養子などが取得できる在留資格で、就労制限がなく日本で幅広い活動が認められるのが特徴です。

この在留資格から永住権を取得する場合は、婚姻関係の実態を証明する書類が必要になります。

必要書類概要準備方法
身分関係を証明する資料配偶者との関係や家族関係を証明する書類配偶者や日本人親の戸籍謄本を役所で取得
申請人を含む家族全員の住民票同居家族や世帯構成を確認するための書類区役所や市役所などで取得
申請人や申請人の扶養者の職業を証明する資料就労状況や勤務先を確認するための資料勤務先に発行してもらう
過去3年分の申請人や申請人の扶養者の所得と納税状況を証明する資料収入の安定性と税金の納付状況を確認するための資料課税証明書や納税証明書を市区町村役場で取得
申請人や申請人の扶養者の公的年金、公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料年金や健康保険の保険料を適切に納付しているか確認する資料年金事務所や自治体、健康保険組合などで証明書を取得
身元保証書と身元保証人についての資料日本での生活を保証する人物の情報を示す書類出入国管理庁のHPからダウンロードし、身元保証人が記入併せて、身元保証人の住民票、住民税の課税証明書・納税証明書などが必要

婚姻期間は通常3年以上が目安とされています。また、日本での在留期間は1年以上必要です。

審査では、形式的な結婚ではないかという点も確認されます。夫婦の生活状況や同居の実態、家計状況などが審査対象になるため、書類の整合性が重要になります。

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定住者から永住権を取得する場合の必要書類

「定住者」は、日本人の配偶者と離婚・死別した外国人や日系人など、個別の事情を考慮して法務大臣が在留を認める在留資格です。活動内容の制限が少なく、日本で長期的に生活している外国人が多いのが特徴です。

制度の詳しい内容は関連記事もあわせてご確認ください。

関連記事▶︎在留資格「定住者」とは?永住者との違いや要件、就労制限について解説

定住者の在留資格を持つ外国人が永住許可を申請する場合は、家族関係や生活基盤を証明する書類が求められます。

必要書類概要準備方法
理由書永住を必要とする理由を説明する書類2,000〜4,000次程度で申請者本人が作成。書式は自由
身分関係を証明する資料戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書、認知届の記載事項証明書などを用意区役所や市役所などで取得
申請人を含む家族全員の住民票世帯構成を確認するための書類区役所や市役所などで取得
申請人や申請人の扶養者の職業を証明する資料勤務先や職業状況を確認する資料勤務先に発行してもらう
過去5年分の申請人や申請人の扶養者の所得と納税状況を証明する資料収入の安定性と納税状況を確認する資料課税証明書・納税証明書を区役所や市役所などで取得
申請人や申請人の扶養者の公的年金、公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料年金・健康保険の納付状況を確認する資料年金事務所や健康保険組合で証明書を取得
申請人や申請人の扶養者の資産を証明する資料預貯金など資産状況を確認する資料預金残高証明書などを金融機関で取得
身元保証書と身元保証人についての資料日本での生活を保証する人物の情報を示す書類出入国管理庁のHPからダウンロードし、身元保証人が記入併せて、身元保証人の住民票、住民税の課税証明書・納税証明書などが必要
日本への貢献を証明する資料社会貢献や功績を示す資料(任意)表彰状・推薦状・活動証明書などを提出

就労ビザ(または家族滞在)から永住権を取得する場合の必要書類

いわゆる「就労ビザ」とは、日本で働く外国人が取得する在留資格の総称で、「技術・人文知識・国際業務」「技能」「企業内転勤」など複数の在留資格が含まれます。

制度の詳細や在留資格の種類については関連記事でも解説していますので、あわせて確認してみてください。

関連記事▶︎就労ビザとは?取得の方法や種類、雇用の際の注意点について解説

これらの就労系の在留資格から永住権を取得する場合は、勤務状況や収入の安定性を証明する書類が必要になります。

必要書類概要準備方法
理由書永住を必要とする理由を説明する書類2,000〜4,000次程度で申請者本人が作成。書式は自由
身分関係を証明する資料在留資格が「家族滞在」の場合に用意戸籍・出生証明など区役所や市役所などで取得
申請人を含む家族全員の住民票世帯構成を確認する書類区役所や市役所などで取得
申請人や申請人の扶養者の職業を証明する資料勤務先や職業状況を確認する書類勤務先に発行してもらう
過去5年分の所得と納税状況を証明する資料収入の安定性と納税状況を確認課税証明書・納税証明書を区役所や市役所などで取得
公的年金・医療保険の納付状況を証明する資料社会保険料の納付状況を確認年金事務所・保険組合で証明書取得
資産を証明する資料預貯金など生活基盤の確認預金残高証明書などを金融機関で取得
身元保証書と身元保証人の資料日本での生活を保証する人物の情報出入国管理庁のHPからダウンロードし、身元保証人が記入併せて、身元保証人の住民票、住民税の課税証明書・納税証明書などが必要
日本への貢献を証明する資料社会貢献や功績を示す資料(任意)表彰状・推薦状・活動証明書などを提出

永住許可の審査では、収入の安定性が非常に重視されます。年収の明確な基準はありませんが、一般的には300万円以上程度が目安とされるケースが多いです。

ただし、家族人数や生活状況によって判断は変わるため、収入だけでなく総合的な生活基盤が評価されます。

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高度人材から永住権を取得する場合の必要書類

「高度人材」とは、高度専門職の在留資格を持つ外国人を指し、学歴・職歴・年収などをポイント化した制度によって評価されるのが特徴です。

高度な専門性を持つ人材として日本への貢献が期待されているため、一定の条件を満たすと通常よりも短期間で永住権を取得できる制度が設けられています。

制度の詳しい内容については、関連記事もあわせて確認してみてください。

関連記事▶︎高度人材とは?ポイント制の計算方法や手続き、新制度も解説

申請時には、ポイント数と在留資格によって提出書類が異なります。主な書類は以下のとおりです。

詳しい準備方法については出入国在留管理庁ホームページの「永住許可申請4-(2)-ア」からも確認できます。

<80点以上で「高度専門職」の方>

必要書類概要準備方法
理由書永住を必要とする理由を説明する書類2,000〜4,000次程度で申請者本人が作成。書式は自由
身分関係を証明する資料家族関係や扶養関係を証明する書類戸籍謄本・出生証明書などを区役所や市役所などで取得
申請人を含む家族全員の住民票世帯構成や同居状況を確認する書類区役所や市役所などで取得
申請人の職業を証明する資料勤務先や職業状況を確認する書類勤務先に発行してもらう
過去1年分の所得と納税状況を証明する資料収入の安定性と納税状況を確認する書類課税証明書・納税証明書を区役所や市役所などで取得
公的年金・医療保険の納付状況を証明する資料社会保険料の納付状況を確認する書類年金事務所や保険組合で証明書を取得
高度専門職ポイント計算表ポイント制度に基づく評価を示す書類入管様式に沿って作成
ポイント計算に関する疎明資料ポイントの根拠を証明する資料学歴・資格・論文などの証明書を提出
申請人の資産を証明する資料預貯金などの資産状況を確認する書類預金残高証明書などを金融機関で取得
身元保証書と身元保証人についての資料日本での生活を保証する人物の情報出入国管理庁のHPからダウンロードし、身元保証人が記入併せて、身元保証人の住民票、住民税の課税証明書・納税証明書などが必要
日本への貢献を証明する資料社会貢献や功績を示す資料(任意)表彰状・推薦状・活動証明書などを提出

<80点以上でその他の在留資格の方>

必要書類概要準備方法
日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者・就労ビザ・家族滞在の立証書類現在の在留資格や活動内容を証明する資料在留資格に応じた証明書類を準備
過去1年分の所得と納税状況を証明する資料収入の安定性と納税状況を確認する書類課税証明書・納税証明書を区役所や市役所などで取得
公的年金・医療保険の納付状況を証明する資料社会保険料の納付状況を確認する書類年金事務所や保険組合で取得
高度専門職ポイント計算表ポイント制度に基づく評価を示す書類入管様式に沿って作成
ポイント計算に関する疎明資料ポイントの根拠を証明する資料学歴・資格・論文などの証明書を提出

<70点以上で「高度専門職」の方>

必要書類概要準備方法
理由書永住を必要とする理由を説明する書類2,000〜4,000次程度で申請者本人が作成。書式は自由
申請人を含む家族全員の住民票世帯構成や同居状況を確認する書類区役所や市役所などで取得
申請人の職業を証明する資料勤務先や職業状況を確認する書類在職証明書などを勤務先から取得
過去3年分の申請人や申請人の扶養者の所得と納税状況を証明する資料収入の安定性と納税状況を確認する書類課税証明書・納税証明書を区役所や市役所などで取得
申請人や申請人の扶養者の公的年金、公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料社会保険料の納付状況を確認する書類年金事務所や保険組合で証明書を取得
高度専門職ポイント計算表ポイント制度に基づく評価を示す書類入管様式に沿って作成
ポイント計算に関する疎明資料ポイントの根拠を証明する資料学歴・資格・論文などの証明書を提出
申請人の資産を証明する資料預貯金などの資産状況を確認する書類預金残高証明書などを金融機関で取得
身元保証書と身元保証人についての資料日本での生活を保証する人物の情報出入国管理庁のHPからダウンロードし、身元保証人が記入併せて、身元保証人の住民票、住民税の課税証明書・納税証明書などが必要
日本への貢献を証明する資料社会貢献や功績を示す資料(任意)表彰状・推薦状・活動証明書などを提出

<70点以上でその他の在留資格の方>

必要書類概要準備方法
日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者・就労ビザ・家族滞在の立証書類現在の在留資格や活動内容を証明する資料在留資格に応じた証明書類を準備
過去3年分の申請人や申請人の扶養者の所得と納税状況を証明する資料収入の安定性と納税状況を確認する書類課税証明書・納税証明書を区役所や市役所などで取得
申請人や申請人の扶養者の公的年金、公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料社会保険料の納付状況を確認する書類年金事務所や保険組合で取得
高度専門職ポイント計算表ポイント制度に基づく評価を示す書類入管様式に沿って作成
ポイント計算に関する疎明資料ポイントの根拠を証明する資料学歴・資格・論文などの証明書を提出

永住権の審査は長引くことがあるため注意が必要

入管の公式ホームページでは、永住許可申請の標準処理期間は4ヵ月程度とされています。しかし実務上は審査が長期化するケースも多く、実際には1年以上かかる場合もめずらしくありません。

申請件数の増加や追加資料の提出依頼などにより、想定より審査が長引く可能性があるため注意が必要です。

また、永住許可申請を行っている間は、通常の在留資格更新時に適用される在留期間の特例延長(入管法20条4項)が適用されません。つまり、永住申請中であっても現在の在留資格の期限が到来すれば、別途更新手続きを行わなければオーバーステイになる可能性があります。

このようなリスクを防ぐため、永住許可申請を行う際は次のいずれかの方法で対応するのが一般的です。

  • 永住許可申請と同時に在留資格の更新手続きを済ませておく
  • 在留資格の更新手続きが完了してから永住許可申請を行う

永住許可の審査は長期間に及ぶ可能性があるため、現在の在留期限を必ず確認したうえで、計画的に申請手続きを進めましょう。

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まとめ

永住許可の申請では、多くの書類を正確に準備する必要があります。申請者の在留資格によって必要書類は異なりますが、税金や年金の納付状況、安定した生活基盤などが重要な審査ポイントになります。

また、審査期間は半年から1年以上かかる場合もあるため、余裕を持った準備が欠かせません。書類の不備は審査の遅れや不許可の原因になるため、専門家のサポートを受けながら進めるのも一つの方法です。

永住権の取得は、日本で長く生活する外国人にとって大きなメリットがあります。制度を正しく理解し、必要書類を整えたうえで計画的に申請を進めましょう。

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