在留カード再発行の流れと必要書類|紛失・破損時の対応方法

日本で生活し、働く外国人の方にとって、在留カードは自らの身分と在留資格を証明する極めて重要な書類です。しかし、予期せぬトラブルにより、在留カードを紛失したり、著しく破損させてしまったりするケースは少なくありません。

在留カードは常時携帯の義務があるため、不携帯のまま放置することは、本人にとって法的な不利益を招くだけでなく、雇用している企業にとっても重大なコンプライアンスリスクとなります。

本記事では、万が一の事態が発生した際、どのように対処すべきか、再発行の手続きや必要書類、企業が取るべきサポートについて、わかりやすく解説します。

在留カードを紛失・破損した直後に必ずやるべきこと

日本に在留する16歳以上の外国人には、在留カード常時携帯の義務があります。そのため、在留カードをなくしたり、壊したりしたことに気づいた際は、速やかに以下のステップを踏みましょう。

警察への届け出(紛失・盗難の場合)

外出先で紛失した、あるいは盗難にあった可能性がある場合は、真っ先に最寄りの警察署へ向かい、遺失届や盗難届を提出してください。

警察で届け出を行うと、遺失物届出番号や受理番号が発行されます。この番号は、のちの出入国管理局での再交付申請の際に、紛失を証明する資料として必要になります。また、悪意のある第三者による不正利用を防ぐためにも、公的な記録を残すことは不可欠です。

家の中で紛失したと確信している場合でも、再交付申請には紛失を証明する書類(またはその理由を記載した書面)が必要となるため、基本的には警察への届け出を優先しましょう。

14日以内に在留カードの再交付申請を行う

出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)により、在留カードを紛失、盗難、滅失、または著しく毀損・汚損した場合には、その事実を知った日から14日以内に再交付の申請をしなければならないと定められています。

期間を過ぎてしまうと、法律違反とみなされる恐れがあるため、速やかな行動が求められます。

ただし、期限を過ぎても窓口で「遅延理由書」を添えて事情を説明すれば、手続きは可能です。放置が長引くほど不利益が大きくなるため、一日でも早く窓口へ向かいましょう。

期限を過ぎた場合のリスク

入管法では、警察官や入国審査官・入国警備官から提示を求められても応じなかった場合には1年以下の懲役または20万円以下の罰金、カードを携帯していなかった場合には20万円以下の罰金に処せられることが規定されています。

つまり、14日以内に申請を行わず不携帯のままだと、これらの罰則が適用される危険な状態です。警察官から提示を求められて拒否した場合は提示義務違反、カードを所持していなかった場合は携帯義務違反となり、それぞれ罰則の対象となります。

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企業が外国人社員をサポートする際の注意点

企業で外国人社員を雇用している場合、在留カードの紛失は単なる個人の問題ではなく、労働契約や社会保険の手続き、さらには不法就労助長罪のリスクに直結する重要課題です。そのため、従業員には紛失時の速やかな報告を義務付け、適切な対応フローを整備しておく必要があります。

放置による不法就労助長罪のリスク

特に注意すべきは、不法就労助長罪への抵触です。もし当該社員の在留期限が切れていた等の事実が後から判明し、企業が確認を怠ったまま就労を継続させていた場合、過失であっても処罰の対象となります。

この罪は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらが併科されるという重い罰則が科されます。一人の不法就労が発覚するだけで、社会的信用の失墜や、その後の外国人雇用における制限など、事業運営に多大なダメージを与えることになります。また、企業防衛の観点からも紛失時の即時報告と再発行の徹底が不可欠です。

不法就労助長罪については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:不法就労助長罪とは?該当のケースや罰則の内容、企業が注意すべきことについて

企業による具体的なサポート内容

外国人社員の中には、日本語での行政手続きに不安を感じる方もいます。企業としては、再発行を指示するだけでなく、以下の具体的な対応によってリスクを最小限に抑えることができます。

  1. 紛失報告のルール化:発覚後すぐに人事担当者や店舗責任者へ報告させます。
  2. 受理番号の把握:警察署での遺失届提出をフォローし、再発行に必要な受理番号を確実に把握します。
  3. 申請書類の準備補助:出入国在留管理庁のサイトから書類を準備し、記入方法をアドバイスします。
  4. 手続き時間の確保:入管窓口へ行くための外出許可や特別休暇を柔軟に与えます。
  5. 取次者の活用:多忙な現場では、行政書士等による申請取次制度の利用も検討します。

さらに、定期的な在留資格の確認や、紛失時の対応マニュアルを整備しておくことで、不測の事態にもスムーズに対応できるようになります。

再発行手続きを行う場所・受付時間・費用

再発行の申請は、どこで、いつ、いくらかけて行うべきかを解説します。

申請場所は居住地を管轄する入管の窓口

原則として、申請人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局、支局、または出張所の窓口で行います。郵送による申請は認められておらず、原則として窓口へ直接出向く必要があります。

代理人による申請について

本人が病気などの理由で出向くことができない場合や16歳未満の場合は、同居する親族などが代理人として申請できます。また、弁護士や行政書士、または受け入れ機関の職員など、地方出入国在留管理局長から承認を受けた取次者が代理で手続きを行うことも可能です。

受付時間

月曜日から金曜日の午前9時から12時、および午後1時から4時です。ただし、官署により異なる場合があるため、事前に各局のHP等で確認しましょう。

費用

在留カードの紛失や破損といったトラブルに伴う再交付申請には、基本的に手数料はかかりません。ただし、紛失等ではなく、自分の希望によって写真変更などの交換を行う場合には、手数料として収入印紙代1,600円が必要になります。

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申請に必要な持ち物・書類

在留カードの再発行には、下記の持ち物および書類が必要です。

全ケース共通で必要なもの

  • 在留カード再交付申請書:地方出入国在留管理局の窓口で入手するか、出入国在留管理庁のホームページからダウンロード可能です。
  • 写真(1枚): 縦4cm×横3cm、無帽・無背景で3ヵ月以内に撮影されたもの。
  • パスポート:窓口で提示が必要です。提示できない場合は、その理由を記載した理由書が必要になります。

代理人や取次者が申請する場合に必要なもの

本人が窓口に行かず、代理人や申請取次者が手続きを行う場合は、以下の書類もあわせて準備してください。

  • 委任状:本人が代理人に手続きを委託したことを証明する書面です。
  • 代理人・取次者の本人確認書類: 窓口に来る方の身分証明書(健康保険証、運転免許証など)や、取次者であることを証明する証票(届出済証など)の提示が求められます。
  • 親族が代理となる場合:本人との関係を証明する書類(住民票など)が必要になる場合があります。

各ケースで追加が必要なもの

再発行に至った経緯に応じて、以下の資料をあわせて準備する必要があります。

紛失・盗難の場合

在留カードを失ったことを証明し、経緯を説明する資料を用意します。

  • 遺失物届出受理証明書または盗難届出受理証明書:警察署で発行されます。
  • 罹災証明書:火災などで滅失した場合に消防署などで発行されます。
  • 陳述書:紛失に至った経緯を詳しく記載して提出します。実務上のフォーマットでは、この陳述書内に警察から取得した受理番号を記載する欄が設けられているのが一般的です。受理番号を正確に記入した上で、詳細な状況を説明します。

汚損・毀損の場合

在留カードが手元にあるものの、汚れや破損、またはICチップの毀損などにより、再交付が必要となった場合はカード現物を持参します。

  • お手元の在留カード現物: どのような状態であっても、必ず窓口へ持参し、返納する必要があります。

警察への届け出(受理番号)は不要です。 再交付申請書の中で、汚損・毀損に至った経緯を説明してください。

参考:紛失等による在留カードの再交付申請 | 出入国在留管理庁

参考:汚損等による在留カードの再交付申請 | 出入国在留管理庁

新しい在留カードはいつ受け取れる?

紛失や破損による再交付申請の場合、書類に不備がなければ原則として当日その場で新しいカードが交付されます。標準的な待ち時間は、受付完了から交付まで通常1時間から2時間程度ですが、窓口の混雑状況によって大きく変動するため注意が必要です。

入管窓口の繁忙期といえる3月や4月(引越し・進学・就職シーズン)、あるいは連休前後などは特に混雑し、半日近くの待機が必要になるケースも珍しくありません。

また、午後の受付終了間際に申請を行うと、当日の交付が間に合わず、後日改めて受け取りに来るよう指示される場合があります。そのため、時間に余裕を持って、午前中の早い時間帯に窓口へ向かうことをおすすめします。

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再発行を申請するまでの暫定的な身分証明

新しいカードを手に入れるまでは、警察でもらった受理番号を必ず控え、身分を証明できるパスポートと一緒に持ち歩きましょう。

これらがあれば、紛失などの事情をすぐに説明でき、不必要なトラブルを防げます。あわせて社員証なども持っておくと安心です。

まとめ

在留カードの紛失・破損は、本人だけでなく企業にとっても不法就労助長などの大きな懸念材料となります。事態が発覚した際は速やかに警察へ届け出、14日以内の再交付を徹底しましょう。

無事に再交付された後は、裏表両面のコピーを控えて社内の管理情報を最新の状態へ更新しておきます。こうした迅速かつ正確な対応が、コンプライアンス遵守と将来的なトラブルの回避につながります。

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