外国人は副業OK?在留資格別の制限と資格外活動許可の方法を解説

近年働き方の多様化が進み、日本人はもちろん、日本で働く外国人材の副業への関心が高まっています。そのため、採用した外国人社員から「休日に別の仕事をしたい」「通訳のアルバイトを頼まれた」といった相談を受けるケースが想定されます。

しかし外国人の副業には、在留資格の壁が存在します。もし適切な手続きをおこなわずに副業をさせてしまうと、本人だけでなく雇用している企業側も法的リスクを負うことがあるため、細心の注意が必要です。

今回は、外国人の副業が認められるケースを在留資格別に詳しく解説し、必要な手続きである資格外活動許可の申請方法や、企業が知っておくべき注意点をまとめました。外国人雇用のコンプライアンスを強化するために、ぜひお役立てください。

外国人の副業が認められるケース

まずは、外国人が副業できる主なケースをご紹介します。

就労ビザの場合

「技術・人文知識・国際業務」など、一般的に就労ビザと呼ばれる就労可能な在留資格で働いている外国人の場合、現在の在留資格で認められている活動の範囲内であれば副業が可能です。ただし、在留資格の範囲を超える業務をおこなう場合は、別途資格外活動許可の申請が必要です。

活動制限のない在留資格の場合

身分に基づく在留資格を持っている外国人は、日本人と同様に就労制限がありません。職種や労働時間の制限なく、自由に副業をおこなうことができます。

身分に基づく在留資格には、次のようなものがあります。

  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者
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【在留資格別】副業の制限

在留資格によって副業の可否や条件は大きく異なります。以下の表で、主な在留資格ごとの対応を確認しましょう。

在留資格副業の可否
「技術・人文知識・国際業務」など就労ビザ△(条件付きで可)
「特定技能」「技能実習」
「高度専門職」△(条件付きで可)
「留学」△(条件付きで可)
「家族滞在」△(条件付きで可)
「永住者」「日本人の配偶者等」など就労制限のない在留資格

なお、在留資格の詳細については、以下の記事をご覧ください。

関連記事▶︎在留資格とは?全29種類の概要やビザとの違い、取得の方法などについて解説

「技術・人文知識・国際業務」など一般的な就労ビザ

一般的な就労ビザでは、同範囲の業務なら副業が可能です。

例えば本業がITエンジニアの場合、副業として他社でのシステム開発などの業務委託を受注しても問題ありません。

一方で、活動範囲外の場合は資格外活動許可の取得が必要です。

例として、ITエンジニアが週末に飲食店でアルバイトする場合などが挙げられます。ただし、本業に支障がないことを前提としており、審査が厳しく、許可が下りない可能性も否定できません。

「特定技能」「技能実習」

特定技能と技能実習は、原則副業が認められず、資格外活動許可も得られません。雇用関係の打ち切りなど、やむを得ない事情がある場合は認められるケースがありますが、基本的に副業はできないと考えましょう。

そもそも特定技能の目的は特定の産業分野での深刻な人手不足を解消すること、技能実習は、技術移転による国際協力が目的です。いずれも副業が本来の目的を阻害するおそれがあるため、副業は原則禁止されています。

「高度専門職」

高度専門職は、高い専門性を持つ外国人材を優遇する資格で、通常の就労ビザよりも柔軟に副業が認められる場合があります。

高度専門職1号では、本業と同分野であれば複合的な在留活動が認められています。分野が異なる場合も、資格外活動許可の取得により副業が可能です。

高度専門職2号では副業の制限がなく、活動範囲外の副業であっても資格外活動許可は必要ありません。

関連記事:高度人材とは?ポイント制の計算方法や手続き、新制度も解説

「留学」

本来の目的は学業ですが、資格外活動許可を得ることで、学業に支障のない範囲でのアルバイトが可能です。留学生のアルバイトなどに多くみられます。

週28時間以内、長期休業期間中は1日8時間以内の制限を守れば、飲食店や小売店、学習塾など、職種を問わず広くアルバイトに従事できます。

なお、このように活動内容を指定しない資格外活動許可は包括許可と呼ばれます。

「家族滞在」

家族滞在は、就労ビザで滞在する外国人の配偶者や子に与えられる資格です。

資格外活動許可を得ることで、週28時間以内の就労が可能です。パートタイム勤務など、あくまで補助的な収入を得るための活動が想定されています。

「永住者」「日本人の配偶者等」など就労制限のない在留資格

永住者や日本人の配偶者等といった就労制限のない在留資格では、制限なく自由に副業できます。

アルバイトや業務委託などの雇用形態や、活動範囲など自由に選択でき、日本人と同様に副業が可能な在留資格です。

資格外活動許可の申請方法

本来の在留資格で認められていない活動を副業としておこなう場合、事前に出入国在留管理庁から「資格外活動許可」を得る必要があります。

ここでは、資格外活動許可の申請方法をご紹介します。実際に資格外活動許可の申請をおこなう場合は、必ず出入国在留管理庁のホームページをご確認ください。

また、資格外活動許可を受けるためには、副業が本来の活動を阻害しないこと、風俗営業などの副業でないことなど、一定の条件があります。こちらもあわせて、出入国在留管理庁のホームページをご覧ください。

資格外活動許可申請|出入国在留管理庁

申請の流れ

資格外活動許可の申請は、原則本人が地方出入国在留管理官署でおこないます。

手順内容備考
1.書類の準備必要書類を準備する
2.申請地方出入国在留管理官署へ申請をおこなう原則本人がおこなうが、企業が代理申請する場合も
3.審査出入国在留管理庁による審査2週間〜2ヵ月程度かかる
4.許可証の交付窓口にて在留カードとパスポートに証印シールが貼られる

申請の必要書類

  • 資格外活動許可申請書
  • 在留カードおよびパスポート(提示)
  • 必要に応じて副業先の内容がわかる資料(雇用契約書、活動内容の概要など)

その他、在留資格や本人の状況により必要書類が追加になる場合があります。

無許可で副業をおこなうリスク

外国人が在留資格の範囲外の活動をおこなった場合、外国人本人はもちろん、雇用企業もペナルティを負うリスクがあります。

外国人本人は不法就労や資格外活動罪に問われ、罰金や懲役、最悪の場合は在留資格の取り消しや強制送還の対象となりえます。

雇用企業も不法就労助長罪として3年以下の懲役または300万以下の罰金に処されるリスクがある他、社会的信用の失墜にもつながりかねません。

また、資格外許可が下りている場合でも、本来の活動をおこなわない場合などは強制送還の対象となることがあります。

外国人従業員が副業をおこなう場合は、在留資格や資格外許可の確認とともに、定期的なヒアリングなどで実態を管理するなど、細心の注意が必要です。

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外国人が副業する際の注意点

企業が外国人社員から副業の相談を受けた際、あるいは採用した外国人が他で副業をしている可能性がある場合、以下の3点を必ず確認しましょう。

所属する企業で副業が許可されているか確認する

自社の就業規則で副業を禁止している場合は、在留資格上では可能であっても副業することができません。トラブルを避けるため、まずは自社のルールを本人に再確認させ、必要であれば承認フローを経るように指導しましょう。

資格外活動許可が下りてから副業を開始する

資格外許可申請は、審査が通るまで2週間〜2ヵ月程度かかります。

審査中に副業を開始してしまうと不法就労にあたるため、必ず在留カードの裏面を確認し、許可が正式に下りていることを目視で確認したうえで開始させるように徹底してください。

副業で得た所得が20万円以上の場合は確定申告の対象

副業による所得が年間20万円を超える場合、本人が所得税の確定申告をおこなう必要があります。外国人が確定申告をおこなうのはハードルが高いため、場合によっては申告の対象とならないよう副業収入を抑えると安心です。

申告漏れは、将来の在留期間更新や永住申請において不利に働くリスクがあるため、企業担当者は外国人従業員に対し、適切なアドバイスをおこなうのが望ましいでしょう。

まとめ

外国人の副業は、在留資格の種類や活動内容によって厳格にルールが決まっています。一般的な就労ビザの場合は、業務範囲の確認が不可欠です。

企業の担当者さまは、在留資格や資格外活動許可の確認をおこない、コンプライアンスを意識した管理体制を整えることが、企業と外国人従業員双方を守ることにつながります。

適切な知識を持って、多様な人材が安心して活躍できる環境づくりを進めていきましょう。

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