2026年10月1日から、在留資格の変更・更新手数料が大幅に引き上げられる予定です。政令案では、許可される在留期間に応じて変更・更新は最大75,000円、永住許可は20万円とされています

2025年4月にも、更新手数料が窓口申請6,000円、オンライン申請5,500円へ改定されており、在留資格に関する手続きコストは段階的に上昇傾向にあります。

この記事では、2026年の手数料引き上げの内容や施行までの経緯、改定前の手数料が適用される期限、企業への影響と対応策についてわかりやすく解説します。

【2026年10月1日施行】在留資格変更・更新手数料の大幅引き上げ

2026年5月29日に成立した改正入管法では、在留資格変更許可と在留期間更新許可の手数料について、法律上の上限がそれぞれ10万円、永住許可は30万円に引き上げられました。これは実際に支払う金額ではなく、政令によって設定できる「上限額」です。

その後、出入国在留管理庁は7月3日に、政令案で具体的な金額を正式に公表しました。

政令案では、変更・更新の手数料を許可される在留期間に応じて10,000〜75,000円、永住許可を200,000円とし、2026年10月1日から施行する内容が示されています。

これまでの主な動きを時系列で整理すると、次のとおりです。

時期主な動き
2026年5月29日改正入管法が国会で成立
2026年6月5日改正法を公布(法律第32号)
2026年6月24日政府が自民党の会合で具体的な料金案を説明
2026年7月3日e-Govで政令案を正式公表。具体的な手数料・減免制度などを提示し、パブリックコメントを開始
2026年8月3日0時にパブリックコメントの受付終了(実質8月2日まで)
2026年10月1日政令案上の施行予定日

改正法は5月29日に成立し、6月5日に法律第32号として公布されました。また、自民党外国人政策本部は6月24日に政府から改定後の手数料について説明を受けています。

8月3日0時まで行われた意見募集については、2026年8月19日時点では結果公示に至っていないため、最終的な金額は今後の公布内容を確認する必要があります。

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改定後の手数料 <在留資格の変更・更新>

政令案では、在留資格変更許可・在留期間更新許可の手数料が一律料金から、許可される在留期間に応じた段階制へ変更されることが発表されています。また、窓口申請とオンライン申請でも金額が異なります。

許可される在留期間改訂前改定後(政令案)
3か月以下





窓口申請:6,000円オンライン申請:5,500円
窓口申請:10,000円オンライン申請:10,000円
3か月超〜6か月以下窓口申請:18,000円オンライン申請:15,000円
6か月超〜1年未満窓口申請:25,000円オンライン申請:21,000円
1年窓口申請:33,000円オンライン申請:27,000円
1年超〜3年未満窓口申請:48,000円オンライン申請:42,000円
3年以上〜5年未満窓口申請:64,000円オンライン申請:56,000円
5年以上窓口申請:75,000円オンライン申請:65,000円

改定後は、在留期間が長いほど1回あたりの手数料も高くなります。

ただし、長い在留期間が許可されれば更新の回数自体を減らせるため、短い在留期間で何度も更新する場合と比べ、長期的な手数料負担を抑えやすい仕組みになっています。

出入国在留管理庁の資料でも、在留状況が良好な外国人への優遇措置として、在留期間が長くなるほど手数料の増加割合を小さくする考え方が示されています。

また、3か月以下を除き、オンライン申請は窓口申請より3,000〜10,000円低く設定されています。申請件数が多い企業では、オンライン申請の活用もコストを抑える方法の一つです。

改定後の手数料<永住権の取得>

永住許可についても、大幅な手数料引き上げが予定されています。

許可される権利改訂前改定後(法令案)
永住権窓口申請:10,000円窓口申請:200,000円

改正入管法では永住許可の手数料を最大30万円まで設定できるよう法律上の上限が引き上げられました。一方、今回の政令案で示されている実際の手数料は20万円です。

出入国在留管理庁は、永住許可では通常の在留資格変更・更新より審査に時間がかかることや、永住許可後の平均在留期間などを踏まえ、審査に要する実費約2万円と応益的な要素約18万円を合わせて20万円とする考え方を示しています。

増収分はどのように使われるのか

引き上げられた手数料による増収分は、外国人政策全体の財源として活用される方針です。単なる審査コストの補填にとどまらず、制度運営の安定化を目的とした広範な施策に充てられます。

具体的には、次のような分野への活用が想定されています。

  • 外国人の受け入れ環境整備

相談体制の充実、日本語教育支援、生活支援体制の強化など

  • 不法滞在者の強制送還にかかる費用

収容・送還関連コストの負担

このような増収分の活用により、結果として、制度の透明性や持続可能性を高めることが狙いであると考えられるでしょう。

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引き上げ前の手数料が適用されるのはいつまで?

政令案どおり2026年10月1日に施行される場合、9月30日までに在留期間更新許可申請を行えば、原則として改定前の手数料が適用されます。

改正法の経過措置では、手数料改定の施行日前に行われた在留資格変更・在留期間更新・永住許可などの申請について、従来の手数料を適用すると定められています。

つまり、”許可された日”ではなく”申請した日”が基準になります。

在留期間更新許可申請は、原則として在留期限の3か月前から可能です。そのため、10月1日の施行を前提とすると、在留期限が2026年12月末までの人は、9月中に更新を申請できる可能性があります。

在留期限の目安9月30日までの更新申請手数料の適用
2026年9月30日まで可能期限までに申請すれば改定前の手数料が適用される
2026年10月〜12月末ごろ可能な場合あり9月30日までに申請できれば改定前の手数料が適用される
2027年1月以降原則として難しい改定後の手数料が適用される可能性が高い

例えば、在留期限が2026年12月20日であれば、おおむね9月20日ごろから申請できるため、9月30日までに手続きを済ませられる可能性があります。

一方、在留期限が2027年1月以降の場合は、通常は申請可能時期が10月以降となるため、改定前の手数料で更新することは難しくなります。

なお、出入国在留管理庁は、在留期間更新許可申請について『在留期限の3か月前から45日前までの申請』に努めるよう案内しています。直前の駆け込み申請を前提にせず、対象となる従業員の在留期限と必要書類を早めに確認しておくことが重要です。

在留資格の手数料引き上げによる企業への影響は?

在留資格の更新手数料引き上げは、外国人労働者を雇用する企業にとって以下のような影響を受けると想定されます。

外国人労働者を雇用するコストが上がる

福利厚生や採用競争力強化の観点から、在留資格の更新手数料を企業側が負担するケースが一般化しています。そのため、今後手数料がさらに高額化すれば、その負担は企業に直接のしかかることになります。

特に在留期間が短い資格の場合、更新頻度が高くなるため、トータルコストへの影響に注意が必要です。

【1年更新の外国人を10名雇用している場合(窓口申請)】

  • 現行:6,000円 × 10名=60,000円
  • 改定後:33,000円 × 10名=330,000円
  • 増加額:270,000円

このように、1年更新の外国人が10名いる場合、1回の更新で企業の負担は27万円増える計算です。

これは人件費とは別に発生するコストであり、採用人数が増えるほど負担も大きくなるため、予算計画への影響も無視できません。

企業のサポート体制が重視される

在留資格の更新手数料が上がる中で、企業のサポート体制はこれまで以上に重要になります。

更新費用は外国人労働者本人にとっても大きな経済的負担となるので、企業がどこまで費用負担や手続き支援を行うのかは、就職先を選ぶ際の重要な判断材料になるためです。

更新手続きに不備があれば再申請や期間延長のリスクが生じ、本人にも企業にもさらなるコスト負担が発生します。

また、外国人材の定着率を高めることも、更新コストの最適化につながります。更新申請のサポート体制が整っている企業は、安心して長期的に働ける職場として評価されやすくなります。

短期間で離職されれば更新費用は無駄になってしまうため、単なる手続き問題ではなく、企業の魅力や信頼性を左右する要素として捉える必要があるでしょう。

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手数料引き上げに対して企業ができること

在留資格の更新費用が引き上げられるタイミングに合わせて、企業側には戦略的な対応が必要です。コスト増を前提とした下記のような計画的運用が求められます。

人件費のシミュレーション

まずは、政令案で示されている具体的な手数料をもとに、外国人雇用にかかるコストをシミュレーションしておきましょう。現在の在籍人数だけでなく、今後受け入れ予定の人数や在留期間、更新時期まで含めて試算することが重要です。

【1年更新の外国人20名の更新時期が重なる場合】

  • 窓口申請:33,000円 × 20名=660,000円
  • オンライン申請:27,000円 × 20名=540,000円
  • 申請方法による差額:120,000円

このように、同じ20名を更新する場合でも、申請方法によって12万円の差が生じます。

外国人労働者の人数が多い企業では、手数料だけでもまとまった支出となるため、在留期限や申請方法を整理したうえで、中長期の人員計画と合わせて予算を確保しておくことが大切です。

在留期間が長い在留資格への移行を検討

更新頻度を減らすために、在留期間が長い資格への移行を検討するのも一つの方法です。単に更新回数を減らすという視点だけでなく、長期的な人材戦略として位置付けることが重要です。

例えば、特定技能1号から2号への移行を見据えた育成体制を整えることで、在留期間が長期化し更新回数を抑えられるだけでなく、将来的な人件費の安定化にもつながります。

さらに、キャリアアップの道筋を明確に示せる企業は、有力な外国人労働者にとって魅力的な就職先となります。長期就労を前提とした環境を整えることは、コスト削減と優秀な人材確保の両立につながる施策といえるでしょう。

カテゴリー1もしくは2を目指す

出入国在留管理庁では、企業の規模や信用度などに応じて受入れ機関を4つのカテゴリー(カテゴリー1〜4)に区分しています。一般的に、カテゴリー3・4は中小企業が該当し、カテゴリー1・2は上場企業や大企業が中心となります。

中でもカテゴリー1・2に該当する企業は、最長5年の在留期間が付与されやすいのが特徴です。

在留期間が長期化すれば更新回数を減らすことができ、その分だけ手数料負担も抑えられます。

政令案における在留期間別の更新手数料
在留期間1年窓口申請33,000円
在留期間5年以上75,000円
在留期間1年オンライン申請27,000円
在留期間5年以上65,000円

長い在留期間ほど1回の更新手数料は高く設定されていますが、その分、更新する回数を減らせる可能性があります。

さらに、カテゴリー1・2では提出書類の簡素化なども図られているため、在留資格に関する手続き負担の軽減にもつながります。

確実な申請フローの確立

更新手数料が高額化すればするほど、1回の申請にかかる経済的インパクトは大きくなります。

万が一、申請が不許可となった場合、そのダメージは従来よりもはるかに重くなるため、チェックリストの整備やスケジュール管理を徹底し、期限切れや書類不備を防ぐ体制を構築しましょう。

政令案では、更新手数料は1年の場合33,000円、5年以上の場合は最大75,000円となるため、申請手続きはこれまで以上に慎重に進める必要があります。

こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、行政書士などの専門家と連携し、不備なく申請できるフローをあらかじめ確立しておくことが重要です。

まとめ

在留資格の変更・更新手数料は、2026年10月1日から大幅に引き上げられる予定です。政令案では、変更・更新は最大75,000円、永住許可は20万円とされています。

また、施行日前に申請した場合は改定前の手数料が適用されるため、在留期限が近い外国人材については、9月中に申請できるか早めに確認しておくことが重要です。改定後は、外国人材の人数や許可される在留期間によって企業の負担も大きく変わります。

アイデムグローバルでは、外国人材の採用から定着支援、在留資格の更新・変更手続きまでを一貫してサポートしています。制度改正が続く中でも、特定技能において5,000名以上の内定実績 (2026年8月1日現在)を背景に、企業が安心して外国人雇用を進められるよう、在留資格手続きの支援や実務コンサルティングを通じて、法令順守と安定的な人材確保を実現してきました。

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