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外国人雇用が一般化する一方で、在留資格の確認不足による「不法滞在者の雇用」が企業リスクとして問題視されています。
本記事では、不法滞在の基礎知識に加え、企業が実務で使える「不法滞在の見分け方」を中心に、在留カードを使った具体的な確認法や法的リスク、対策までを解説します。
不法滞在とは?
まずは、不法滞在の定義と不法滞在と混同されやすいケースを解説します。
不法滞在の定義
不法滞在とは、在留資格がないにも関わらず日本に滞在している状態を指します。
在留資格を失ったあとも引き続き日本に滞在する行為は、「出入国管理及び難民認定法」に違反する行為です。

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不法滞在と混同されやすいケース
不法滞在と混同されやすいケースとして、不法残留(オーバーステイ)があります。
不法残留とは、正規に入国し在留資格や在留期間が付与されていた外国人が、その期限を超過して日本に滞在し続ける状態を指します。
不法滞在は不法残留より広い概念で、上陸許可を受けずに入国した不法入国者なども含まれます。
なお、令和7年7月1日時点における不法残留者数は71,229人と公表されています。
(参照:出入国在留管理庁、「本邦における不法残留者数について(令和7年7月1日現在)」)
不法滞在になる主な理由
外国人が不法滞在に至る理由は主に以下の3つです。それぞれのケースについて、具体的に解説します。
在留期限の更新忘れ・手続き不備
在留資格は、更新忘れや手続き上の不備があるだけでも失効する場合があります。
在留資格を失った状態で日本に滞在し続けると不法滞在に該当します。
就労に関する在留資格を取得している場合でも、更新や変更について合理的な理由があると認められなければ、在留資格は維持されません。
具体的には、以下のようなケースが該当します。
- 在留資格の更新申請を行ったが、許可されなかった場合
- 在留資格の要件(学歴・職歴など)を満たせなかった場合
- 在留期限が経過したまま、更新手続きを行わなかった場合
- 転職にともない在留資格の変更申請を行ったが、不許可となった場合
ただし、在留期限までに更新申請を行っていれば、審査結果が出るまで、または在留期限後2ヵ月を経過する日までのいずれか早い時点まで、日本に滞在することが可能です。
(参照:出入国管理庁、「特例期間とは?」)
在留資格と業務内容の不一致
日本の在留資格制度では、資格ごとに認められる活動内容が定められています。
そのため、許可された範囲外の活動によって収入を得る場合は、事前に許可が必要となります。
この許可を得ていない状態で働くと、不法就労とみなされます。
難民申請が通りにくい
制度上の厳格さや審査基準の違いにより、日本では難民認定に至らないケースも多いと指摘されています。
法務省が公開している令和6年の難民認定者数は、申請者数が12,373件の内、難民として認定されたのは190人でした。
このことから、日本の難民認定率は極めて低い水準であることがわかります。
(参照:出入国在留管理庁、「令和6年における難民認定者数等について」)
紛争地域からの難民だとしても、申請が簡単に通るわけではありません。難民として認定されなかった場合は、在留資格を失う可能性があり、状況によっては強制帰還の対象となる可能性もあります。
(参照:出入国在留管理庁、「難民認定制度」)
ただし、すべてのケースですぐに送還されるわけではなく、人道的配慮などにより在留が認められる場合もあります。
(参照:出入国在留管理庁、「補完的保護対象認定制度」)

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不法滞在の見分け方|在留カードのポイント
在留カードを正しく確認することで、不法滞在かどうか見分けることができます。ここでは、企業が実務で抑えるべき不法滞在の見分け方として、在留カードの具体的な確認ポイントを解説します。
カードの記載内容の確認
在留カードの記載内容を確認することは、不法滞在の見分け方として、最も基本的なポイントです。
まず、在留カード表面に記載している以下の情報が本人と一致しているかを確認します。
- 氏名
- 顔写真
- 生年月日
- 在留資格
- 在留期限
- 有効期限

(出典:法務省、「在留カード」及び「特別永住者証明書」の見方)
記載内容に不自然な点や相違がないか、必ず目視で確認しましょう。
就労制限の確認
就労制限の有無を確認することも、不法滞在の見分け方として重要です。
在留カード表面の顔写真の左側には、就労の可否が記載されています。また、裏面下部には、資格外活動許可の欄があります。
この欄に記載されている制限に基づき就労することができます。

(出典:出入国在留管理庁、「在留カードとは?」)
ICチップの確認
在留カードにICチップが埋め込まれているので、ICチップを読み取り確認することも可能です。
出入国在留管理庁が提供しているアプリをスマートフォンにダウンロードし、カメラ機能を使って在留カードを読み取ります。
表示された情報と、在留カードに記載されている内容に相違がないかを確認することができます。

(出典:出入国在留管理庁、「在留カード等読取アプリケーション」)
偽造された在留カードの場合は、ICチップが正常に読み取れない、または読み取った情報がカードの記載内容や本人情報と一致しないといった不具合が生じることがあります。
偽造していないかの確認
在留カードが偽造されていないかを確認する際は、以下の点をチェックします。
| 確認項目 | 確認内容 |
| 絵柄の色の変化 | カードを傾けた際に、色や模様が変化するかを確認します。 |
| ホログラムの有無 | 正規の在留カードにはホログラムが施されているので、角度によって見え方が変化します。 |
| 文字色の反転 | 特定の角度や光の当て方によって、文字の色が反転して見えるかを確認します。 |
| 透かし文字の確認 | 光に透かした際に、所定の透かし文字が表示されるかを確認します。 |
| ICチップの情報との一致 | ICチップから読み取った情報と、在留カードに記載されている内容が一致しているかを確認します。 |
詳しくは、法務省の「在留カード」及び「特別永住者証明書」の見方でご確認ください。
外国人を採用するときの注意点
外国人を採用する際は、在留カードや在留期限の確認を含め、慎重な対応が求められます。ここでは、企業が特に注意すべきポイントを解説します。
在留カードのコピーをとる
外国人を雇用する際は、在留カードやパスポートを確認し、コピーを保管しておくことが推奨されます。
在留期間を1日でも超過した状態で雇用すると、雇用主側も処罰の対象となる可能性があるため、在留期限の管理には十分注意が必要です。
万が一、在留期間を超過していることが判明した場合は、速やかに出入国在留管理庁へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
在留カード紛失の際は再交付申請をする
在留カードを紛失した場合は、速やかに再交付申請を行う必要があります。
- 警察署に紛失届を出す
遺失届出証明書などの発行を受けます。 - 地方出入国在留管理局で申請
遺失届出証明書を持参し、再交付申請を行います。
この申請は、紛失から14日以内に行わなければいけません。なお、申請取次の承認を受けている企業であれば、本人に代わって再交付申請が可能です。
「みなし再入国許可」は1年以内
在留カードを所持している外国人が、再入国する意思を持って出国した場合、出国後1年以内(または在留期間の満了日のいずれか早い日まで)であれば、原則として再入国許可の申請は不要です。
これを、「みなし再入国許可」といいます。
(参照:出入国在留管理庁、「みなし再入国許可(入管法第26条の2)」)
ただし、出国後1年を過ぎてしまうと在留カードが失効となります。
そのため、出国する期間が1年近くなる場合は、あらかじめ再入国許可を受けておくと安心です。

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不法滞在だと判明した場合どうなる?
不法滞在が判明した場合は、日本での滞在が認められず、原則として出国しなければいけません。
処分としては、出国命令または強制送還のいずれかが科せられます。出国命令に従い、自主的に出国した場合は、原則として1年間は入国ができません。一方で、強制送還となった場合は、5年間日本への再入国が禁止されます。
不法滞在の外国人を雇った場合の企業リスク
不法滞在の外国人を故意でなく雇用してしまった場合でも、企業には大きなリスクがともないます。ここでは、主なリスクについて解説します。
法的リスク
不法滞在の外国人を雇ってしまうと、たとえ故意でなかったとしても、雇用主は不法就労助長罪に問われる可能性があります。
この罪に該当すると、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられるおそれがあり、企業にとっては金銭的損失だけでなく、社会的信用の低下など重大なリスクにつながります。
(参照:法務省、「不法就労防止にご協力ください。」)
企業イメージ・信用の低下
不法滞在者を雇用した場合、行政処分や報道により、企業の信用が失墜する可能性があります。また、取引先や関係企業からの信頼低下や、取引停止・契約解除などの影響が生じる場合もあります。

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企業が安心して外国人を採用するための対策
企業が安心して外国人を採用するためには、不法滞在の見分け方を理解し確認フローを仕組化することが重要です。ここでは、採用時に企業が実施すべき対策について解説します。
採用時の確認フローを整備する
外国人を採用する際は、在留資格や就労可否を正確に確認することが不可欠です。
以下の表の通り、採用時に必ず実施すべき確認事項を整理し、採用担当者間で共有しておきましょう。
| 手順 | 確認項目 | 確認内容・ポイント |
| 1 | 在留カードで本人確認 | 顔写真、氏名、生年月日が本人と一致しているか |
| 2 | 在留カードが真正性を確認 | ホログラム、色の変化、透かし文字の有無 |
| 3 | ICチップの確認 | ICチップを読み取り、在留カードと一致しているか |
| 4 | 就労制限や資格外活動の確認 | 就労制限や資格外活動許可の範囲が、実際の業務内容と一致しているか |
| 5 | 在留期限の確認 | 在留期限が切れていないか・期限が迫っていないか |
| 6 | 書類の保管 | 在留カード・パスポートをコピーし適切に保管 |
| 7 | 情報共有 | 採用担当者間で情報を共有し、認識のズレがないか |
専門家・人材紹介会社を活用する
外国人を採用するにあたって、採用経験が少ない担当者の場合、在留資格や就労可否の確認に不安を感じることも少なくありません。
「確認事項を見落としてしまうのではないか」といった懸念を抱くケースもあるでしょう。
そのような場合には、専門家や外国人採用に精通した人材紹介会社を活用することもひとつの方法です。
専門的な知見を活用することで、確認漏れや法令違反のリスクを低減できます。
外国人雇用なら「アイデムグローバル」へ
不法滞在の外国人を雇用すると、企業にとって大きなリスクがともないます。
採用を検討する際は、確認フローを整備し、採用者担当者全員で情報を共有することが重要です。確認事項に不安がある場合は、専門の人材紹介会社へ依頼することも有効な手段です。
アイデムグローバルは、特定技能外国人の雇用をサポートしております。
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