特定技能制度における定期届出の提出頻度が、これまでの四半期ごとから年1回に変更されました。この変更により、受け入れ企業や登録支援機関にはより正確で網羅的な届出が求められることとなり、事務負担が軽減される反面、各書類の提出には十分な準備が必要です。

この記事では、特定技能制度の定期届出に必要な書類や提出方法、登録支援機関が届出をおこなう場合の準備などについて詳しく解説していきます。

特定技能制度の定期届出とは

特定技能制度とは、2019年に開始された外国人労働者の受け入れ制度です。この制度により、特定の分野で一定の技能と日本語能力を有する外国人が日本で就労できるようになりました。

特定技能の受け入れ企業や登録支援機関には、外国人の就労状況や支援状況に関する届出義務があります。

その中でも「定期届出」は、受け入れ先が外国人に対して適切な就労環境を提供しているか、また生活支援が実施されているかを国に定期的に報告するための仕組みです。この届出は、外国人労働者が安心して働ける環境を整えるとともに、不正な受け入れを防止するためにも極めて重要です。

定期届出では、外国人の在籍状況、勤務実績、支援内容、雇用契約の状況など多岐にわたる情報を提出する必要があります。これにより、受け入れ企業や支援機関が制度に則った適正な対応をしているかを行政が確認することができます。

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義務付けられている届出には「随時届出」が必要

届出には「定期届出」のほか、「随時届出」が義務付けられています。随時届出は、特定技能外国人の退職・転職・失踪など、就労状況に変化が生じた場合に速やかに提出する必要があります。定期届出と合わせて正確かつ迅速な報告が求められます。

定期届出の提出期間が「四半期に1回」から「年1回」に変更

2025年4月より、これまで四半期に1回(年4回)提出が必要だった定期届出が、年に1回の提出へと変更されました。

これにより、受け入れ企業や登録支援機関の事務負担が軽減される一方で、1回分の提出に求められる正確性や網羅性はこれまで以上に重要になっています。

主な変更点は次の通りです。

  • 【旧制度】:四半期ごと(1月、4月、7月、10月)に提出
  • 【新制度】:年1回、4月1日〜6月30日までに提出

この変更により、作業スケジュールの見直しが必要となります。特に3月末時点での状況を的確に反映した内容で届出をおこなうことが重要です。

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提出期限を過ぎてしまった場合の対処法

提出期限を過ぎた場合でも、速やかに提出することで重大な行政処分を避けられる可能性があります。万が一提出が遅れた場合は、遅延理由書を添付し、誠意ある対応をすることが推奨されます。

また、遅延を繰り返すと登録支援機関としての認定取り消しや改善命令の対象になる場合があるので、注意が必要です。

定期届出に必要な書類

定期届出に必要な書類は、受け入れ企業の支援体制や登録支援機関の関与の有無によって異なります。

登録支援機関に委託している場合

登録支援機関に支援を委託している場合、企業と支援機関の役割分担が明確になります。

受け入れ企業側で作成・届出が必要な書類

受け入れ企業側で準備が必要な書類は次の通りです。

特定技能外国人の就労状況報告書:氏名、在留資格番号、配属部署、実際の労働日数、月ごとの労働時間、就業場所の変更履歴などを記載します。勤怠データと一致しているか、業務内容が在留資格の範囲内かを確認する必要があります。虚偽記載は行政処分のリスクがあります。

雇用契約書の写し(変更がある場合):記載項目:契約期間、業務内容、労働時間、休日、賃金額、手当、保険の有無などを記載します。変更が反映された最新版で外国人本人の署名が必要です。特定技能の条件を満たしているか必ず確認しましょう。

労働時間・賃金の実績データ:月別の所定労働時間・残業時間、基本給・手当・控除額、最終支給額などを記載します。最低賃金を下回っていないか、支払い遅延がないか、賃金台帳や明細書との整合性などを確認しましょう。

登録支援機関が作成・届出をおこなう書類

委託している登録支援機関が準備をおこなう書類は次の通りです。

支援計画の実施状況報告書:日本語学習支援、生活支援、相談対応、苦情処理、転職支援、行政手続きの同行などの支援内容、実施日時、対応担当者の氏名、支援方法(対面・電話・メール・オンライン)などを記載します。支援ごとに日時や回数、手段を具体的に実施状況を記録する必要があります。

日本語学習支援・生活支援に関する実施報告:対象外国人の氏名、実施日、使用教材、指導方法、講師名、実施場所、対象スキル(読み・書き・会話など)、参加回数、理解度・達成度、学習内容の詳細を記載します。各回ごとの学習成果や外国人の反応・課題点も可能な限り記載する必要があります。

面談記録(四半期ごとの定期面談を含む):面談実施日、面談方法、面談者名・所属、内容(就労状況、生活上の困りごと、メンタルヘルス、トラブル相談など)、本人の発言の要約、支援機関の対応、今後の対応計画を記載します。必ず外国人本人の意見・要望を反映しなければなりません。

自社で支援をおこなっている場合

支援を自社で完結している企業は、上記すべての書類を自身で用意・提出する必要があります。

支援の記録や面談履歴も含めて一貫性のある管理が求められます。書類の不備や記録漏れがあると、再提出や調査対象になるケースもあるため、注意が必要です。

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定期届出の提出方法

定期届出の提出方法には、郵送とオンラインの2つの手段があります。近年では、利便性や記録性の観点からオンラインでの提出が主流となりつつあります。

郵送で定期届出を提出する場合

郵送で定期届出を提出する場合は、まず宛先として出入国在留管理庁または各地方出入国在留管理局を正確に確認する必要があります。

送付方法としては、書類の紛失や未着を防ぐために書留や簡易書留を利用することが推奨されており、発送控えも必ず保管しておきましょう。これにより、万が一トラブルが生じた際に発送証明として使用することができます。

また、提出期限に間に合うように、余裕を持って準備・発送を進めることが重要です。

オンライン定期届出を提出する場合

「出入国在留管理庁電子届出システム」を利用することで、インターネット上から届出が可能です。

オンライン提出では、次のようなメリットが挙げられます。

  • 24時間いつでも提出可能
  • 書類の修正・保存が簡単
  • 届出履歴の確認ができる

オンラインでの定期届出は、今後さらに普及が進むと予測されます。

まとめ

定期届出は2025年から年1回に変更され、事務負担は軽減された一方で、提出内容の正確性がより重視されています。オンライン提出が主流となり、利便性の向上も期待できます。

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