特定技能外国人の採用を検討する企業にとって、「JFT-Basicとは何か」「どの程度の日本語力を示すのか」は重要なポイントです。

この記事では、JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)の概要からA2レベルの具体像、JLPTとの違いや難易度、企業が採用時に確認すべき実務上のポイントまで、わかりやすく解説します。

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)とは

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)とは、日本で生活・就労する外国人が「日常生活で支障なくコミュニケーションできるか」を測定するための日本語試験です。主に特定技能1号の在留資格申請時に、日本語能力を証明する手段として活用されています。

この試験は独立行政法人国際交流基金が実施しており、単なる文法知識の確認ではなく、生活場面や職場場面での理解力・判断力といった実践的な運用能力が問われます。

開催は年6回で、海外を中心に12か国で実施されていますが、実施国や回数は年度により変更される場合があります。

特定技能1号で求められる「JFT-BasicのA2レベル」とは

特定技能1号の在留資格を取得する際、JFT-Basicで求められるのは、A1〜C2までの6段階中下から2番目に値する「A2レベル」です。

JFT-Basicは250点満点で評価され、原則として200点以上を取得するとA2レベル相当とみなされます。

区分レベル能力の目安
熟達した言語使用者C2ほぼ全てを理解し、複雑な内容も正確かつ自然に表現できる。
C1高度な内容を理解し、流ちょうに柔軟な表現ができる。
自立した言語使用者B2抽象的・専門的な話題も理解し、自然にやり取りできる。
B1日常的な話題の要点を理解し、簡単な文章を作成できる。
基礎段階の言語使用者A2身近な話題を理解し、簡単な情報交換ができる。
A1基本的な日常表現を理解し、支援があればやり取りできる。

このように、A2は「基礎段階の言語使用者」に位置付けられます。つまり、生活や簡単な業務上のやり取りには対応できるものの、高度な専門業務や抽象的議論まで十分にこなせる水準ではありません。

企業としては、「最低限の生活日本語は担保されている水準」と理解することが重要です。

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JFT-BasicとJLPTの違い

JFT-BasicとJLPTは混同されがちですが、目的や実施体制、試験方式などに明確な違いがあります。主要項目を表で整理します。

比較項目JFT-BasicJLPT(日本語能力試験)
目的生活・就労場面での実用日本語力を測定総合的な日本語能力を測定
開催回数年6回年2回(7月・12月)
開催国数海外中心に約12か国世界各国で実施(80か国以上)
試験の種類1種類(A2相当の到達度確認)N1〜N5の5段階
実施方式CBT(コンピュータ方式)マークシート方式
回答方式画面上で選択回答紙の解答用紙に記入

特定技能制度では、JFT-Basic A2に合格またはJLPT N4以上の取得が求められますが、制度上の位置付けや試験設計は同一ではありません。

試験形式・出題内容の違い

出題形式や受験方式の違いを理解することで、それぞれの試験がどのような能力を重視しているのかが明確になります。

JFT-BasicはCBT(Computer Based Testing)方式で実施され、試験会場のパソコンを使用して解答します。また、出題分野は以下の4領域で構成されています。

  • 文字・語彙
  • 会話・表現
  • 聴解
  • 読解

問題は、職場での指示理解や生活場面での掲示物読解など、具体的なシチュエーションを想定した実践型の内容が中心です。選択式問題が基本となっており、「その場で適切な行動や表現を選べるか」が問われます。

一方、JLPTは紙の問題冊子とマークシートを用いる筆記試験方式で実施されます。

また、出題分野は以下の3領域で、文法の理解や文章構造の把握などといった学習成果を体系的に測る設計となっています。

  • 言語知識(文字・語彙・文法)
  • 読解
  • 聴解

このように、JFT-Basicは実生活・実務場面を想定した即応力を重視する試験であるのに対し、JLPTは総合的かつ段階的な日本語能力を評価する試験といえます。目的や活用場面に応じて、両者の違いを理解することが重要です。

JFT-Basicの試験内容

JFT-Basicの試験内容についてさらに詳しく見ていきましょう。

前述した通り、試験内容は「文字・語彙」「会話・表現」「聴解」「読解」の4セクションで構成されています。各セクションの概要は以下のとおりです。

会社名株式会社アイデム
設立1971年2月
本社所在地東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル
公式ホームページhttps://aidemglobal.jp/

参照:JFT-Basicとは

出題は単なる知識確認ではなく、実際の生活や就労場面を想定した問題が中心です。例えば、上司からの簡単な指示を聞いて適切な行動を選ぶ問題や、店舗の掲示を読んで内容を理解する問題などが出題されます。

このように、「使える日本語かどうか」を総合的に評価する設計となっています。

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JFT-Basicの難易度と合格率

JFT-Basicの試験は基礎レベルであるA2を対象としているため、上級者向けの難易度ではありません。ただし、まったく日本語を学習していない状態で合格できる試験でもありません。

一般的には、初級日本語(約150〜300時間程度の学習)を修了したレベルが目安とされています。

国際交流基金が発表しているデータによると、ここ数年のA2到達率は40%台で推移しており、一定の学習を行った受験者であれば十分に到達可能な水準といえます。

極端に難易度が高い試験ではなく、「基礎的な日本語力を確認するための試験」と位置付けるのが適切でしょう。

企業はJFT-Basicをどう判断するべきか

JFT-Basicは「基礎的な日本語力があること」を確認するための指標であり、どちらか一方だけで実務適性の判断基準にはなりかねます。

JFT-Basicの判断ポイントについて詳しく見ていきましょう。

JFT-Basicだけでは判断できないポイント

JFT-BasicはA2レベルの基礎的な日本語力を測る試験ではありますが、実際の業務で求められる会話力や応用力までは十分に把握できない場合があります。

例えば、現場では次のような能力が求められます。

  • 上司や先輩からの指示を正確に理解し、必要に応じて確認できる力
  • 報告・連絡・相談(報連相)を適切なタイミングと言葉で行える力
  • トラブル発生時に状況を説明し、周囲と協力して対応できる力
  • 相手の立場や状況を踏まえて言い換えや補足ができる応用力

これらは選択式中心の筆記試験だけでは測定が難しい領域です。そのため、JFT-Basicの結果のみで日本語能力を判断するのは妥当ではないといえるでしょう。

採用時に確認すべき日本語力のポイント

では、より実践的な評価を行うためにはどのような点に注目すればよいでしょうか。

面接や選考の場で確認できる点としては、単なる会話の印象だけでなく、実務に直結する以下のような日本語運用力です。

  • 業務内容に関する質問に対し、自分の言葉で受け答えができるか
  • 口頭で伝えた指示内容を正しく理解し、要点を復唱できるか
  • 報連相を想定したやり取りが成立するか
  • 職場でのコミュニケーションに支障が出ないレベルか

例えば、簡単な業務説明を行ったうえで「どのように作業しますか」と問い返してみたり、あるいは想定トラブルを提示して対応方法を説明してもらったりと、実務に近い状況を設定して質疑応答してみましょう。

こうした観点から総合的に判断することで、試験結果だけでは見えにくい実践的な日本語力を把握できます。

また、採用後もOJTや日本語研修を継続的に実施し、現場適応力の向上と定着率の改善を目指していくことをおすすめします。

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まとめ

JFT-Basicは特定技能外国人の日本語力を確認するための重要な試験ですが、その役割はA2レベルの基礎力の確認にとどまります。合格は生活や簡単な業務対応が可能である目安にすぎず、実務では指示理解や報連相、トラブル対応といった運用力が求められます。

そのため、企業は試験結果だけに依存せず、面接や実践的な確認を通じて総合的に判断し、採用後の教育体制まで見据えて設計することが重要です。

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特定技能外国人の採用には、在留資格の申請や日本語要件の確認、支援計画作成、入社後フォローなどといった専門的な知識と実務対応力が求められます。

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特定技能外国人の採用を検討されている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

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